(ブルームバーグ):韓国のソウル高等裁判所は24日、複合企業SKグループの崔泰源会長に対し、離婚に伴う財産分与として、元妻に9440億ウォン(約1050億円)を支払うよう命じた。長年にわたる泥沼の離婚訴訟は終結に一歩近づいた。
確定すれば、韓国史上最高額の離婚財産分与となる。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、崔氏の資産は約56億ドル(約9100億円)で、この1年間で2倍超となった。
崔氏は1988年に盧泰愚元大統領の娘、盧素英氏と結婚した。当時、韓国を代表する政財界の名門同士を結ぶ結婚として注目を集めた。2人の間には3人の子どもがいるが、崔氏が2015年に別の女性との間に子どもがいることを公表し、夫婦関係の破綻が表面化した。
崔氏の弁護士は裁判所前で記者団に対し、崔氏は離婚訴訟によって世間を騒がせたことを申し訳なく思っていると説明。判決全文を確認した上で、不服を申し立てるかを判断すると述べた。
SKグループのSKハイニックスは、AI向け高帯域幅メモリー(HBM)の需要急増を追い風に大きく成長した。その結果、SKグループ全体の企業価値が高まり、今回の離婚訴訟を巡る財産分与の規模も一段と大きくなった。
SKハイニックスは今月、海外企業として過去最大となる265億ドルを調達した米国上場を実施して世界的な注目を集め、時価総額は1兆ドルを突破した。
高裁は判決で、「共有財産の公平な分与を確保するため」、崔氏が保有する「株式の価値の大幅な上昇」を財産分与に反映させる必要があると判断した一方、株式価値上昇の一部は崔氏の経営手腕によるものだったことも認めた。
崔氏は、自身が保有するSKの株式は相続財産であり、分与の対象にはならないと主張していた。
SKの株価は判決後、一時は下げ幅を縮小したものの、その後は約3%安となった。崔氏はSKハイニックス株を直接大量保有してはいないが、SKハイニックスの筆頭株主であるSKスクエアを傘下に持つ持ち株会社SKの筆頭株主となっている。
今回の判決では、SKグループが韓国有数の企業グループへ成長する過程で、盧氏の貢献を裁判所がどう評価するかが争点となった。盧氏は当初、崔氏が保有するSK株の42.29%の分与を求めており、認められれば崔氏の経営支配権が揺らぐ可能性もあった。その後、請求を現金による支払いに切り替えた。
企業調査会社リーダーズ・インデックスのパク・チュグン代表は、SKハイニックス株の大幅な上昇により、崔氏は巨額の支払いにも十分対応可能で、広範な事業グループに対する支配権が大きく損なわれる可能性は低いとの見方を示した。
2024年には裁判所が崔氏に対し、盧氏へ1兆3800億ウォンの支払いを命じる判決を下した。しかし、崔氏の上告を受け、最高裁判所は盧氏の父である元大統領・盧泰愚氏の不正資金を夫婦の財産形成への貢献として算入したのは不適切だったとして同判決を破棄し、差し戻した。今回の判決では、そのような貢献分は除外された。
盧氏は、一族による政治的・社会的な支援が、SKの韓国有数の企業グループへの成長を後押ししたと主張してきた。
24日の判決については、双方のいずれも最高裁へ再び上告することが可能となっている。
原題:SK Hynix Tycoon Gets $643 Million Divorce Bill as Wealth Soars(抜粋)
(第12段落以降に背景情報などを追加して更新します)
--取材協力:Youkyung Lee.
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