(ブルームバーグ):米財務省は23日発表した外国為替報告書で、2026年4月までの数年間にわたる円の下落が「大幅な円の過小評価をもたらした」と指摘し、「日米金利差の縮小にもかかわらず円安が続いている」と言及した。
報告書はさらに、「金融市場のボラティリティーや原油価格といった世界的な要因も円に影響を与えたとみられるが、円の過度な変動は望ましくない」と指摘。「金融政策の正常化は、インフレ期待を安定させ、過度な為替変動を抑えるのに役立つ」との認識を示した。
中国については、米国の主要な貿易相手国・地域の中で通貨管理を巡る「相対的な透明性の欠如」が際立っていると指摘した。
今回の報告では、為替慣行を巡る「監視リスト」は変更せず、10カ国・地域を引き続き掲載。「為替操作国」として認定された国はなかった。
2015年制定の法律に基づく3つの基準のうち2つに該当する国・地域は、米財務省の監視対象に指定される。現在のリストには中国、日本、韓国、台湾、シンガポール、タイ、ベトナム、ドイツ、アイルランド、スイスが含まれる。
ベッセント財務長官は報告書に付随する声明で「財務省は不公正な為替慣行を強力かつ厳重に監視し、対抗していく」と述べた。
共和党のスコット上院議員と民主党のウォーレン上院議員は6月17日付のベッセント長官宛ての書簡で、中国が「意図的に自国通貨の価値を抑え込んでいる」と主張し、主要7カ国(G7)と連携して圧力をかけるよう促していた。
財務省は今回の報告書で、中国が「人民元高を阻むため、公式・非公式の経路を通じて介入していることを示す証拠を得られれば」、為替操作国に認定する可能性はあると警告した。
国際通貨基金(IMF)などは人民元が過小評価されていると分析している。元安は国際市場における中国製品の価格競争力を高める効果がある。ドイツのメルツ首相もここ数週間、元安への対応を求めており、欧州最大の経済大国として注目すべき方針転換となっている。
今回の報告書は25年12月までの4四半期を対象としている。25年上期は、トランプ政権による関税措置と、それが海外からの米資産への需要や、米景気見通しに与える影響を巡る懸念からドルが大きく下落した。
ドルはその後、米経済の底堅さと高止まりするインフレを背景に持ち直した。米連邦準備制度が年内に利上げに踏み切るとの観測も相場を支えている。一方、円をはじめとする貿易相手国・地域の通貨は下落圧力にさらされている。日本の財務省が6月5日発表した「外貨準備等の状況」は、日本が為替介入の原資として米国債を含む外国証券を活用した可能性があることを示唆した。
米財務省はシンガポール、スイス、タイについて、次回報告の対象期間中に該当する基準が1つ以下となれば、監視リストから外れる可能性があるとしている。
原題:US Treasury Calls Out China for Lack of Transparency on Yuan (1)(抜粋)
(報告書のさらなる内容や米議員の書簡などを追加して更新します)
--取材協力:Daniel Flatley、Greg Ritchie.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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