(ブルームバーグ):24日の日本市場では株式が下落。日経平均株価は1800円超下げた。中東情勢の悪化を受けて原油価格が高止まりしているほか、米国で巨額のAI投資への懸念からハイテク株が売られたことで投資家心理が悪化した。インフレへの警戒から債券は超長期金利が急上昇(価格は下落)。円は対ドルで163円台後半で推移した。
中東での戦闘激化を受けて前日に米原油先物が急伸、日本時間24日は1バレル=91ドル台で推移している。前日の米国市場ではアルファベットの決算をきっかけにAI投資拡大に対する懸念が再び高まり、ナスダック総合指数は大幅安となった。
AI相場の持続性を占う上で国内外のハイテク決算への注目度は高く、アルファベット後の相場反応を受けて来週以降に発表される決算に対する警戒度が高まった。週末を挟んで中東情勢が一段と悪化する可能性も意識され、投資家はリスク回避姿勢を強めた。
大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは、これまで中東情勢はいつか落ち着くという楽観が強かったが、原油価格が90ドル台に乗せ「もう少し注目しなければいけないと意識され始めている」と話す。米インテルが好決算だったにもかかわらず、日本の関連銘柄は割高感が払拭できずに売られていることも市場心理の重しと指摘した。
株式
TOPIX構成銘柄の6割弱が下落。ソフトバンクグループや東京エレクトロン、キオクシアホールディングスなどのAI・半導体関連や機械、自動車が安い。半面、医薬品や海運、保険などは高い。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員は、日米の主要決算を控え、ポジションを落とす動きが出ていると指摘。「7月最終週から8月1週は夏枯れ相場に重要イベントが重なり、過去も株価が結構動いた時期」で、いったん利益確定の動きが出やすいとの見方を示した。
米国は主要な貿易相手国・地域の大半からの輸入品に対して新たな関税を課す方針で、日本には少なくとも12.5%の関税を適用する。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは米関税について、「悪材料だが一度経験している」ため、相場への悪影響は限定的とみる。政府は米国との交渉に動くとみられ、現段階では額面通りに受け取られないだろうと述べた。

債券
債券は超長期債を中心に下落。原油価格の上昇を受けて、インフレ懸念から売りが膨らんだ。新発30年債利回りは一時8.5bp高い4%、40年債は10bp高い4.01%を付けた。
SMBC日興証券の奥村任チーフ金利ストラテジストは「原油価格の上昇に対する日本銀行の対応の遅さに焦点が当たり、日本のインフレリスクが相対的に高いとの見方から、長期金利や超長期金利にプレミアム(上乗せ金利)が求められている」と語った。
東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストは「年限の短いゾーンは日銀の早期利上げ懸念から、長いゾーンはインフレと財政拡張懸念から売られ、弱気相場が続いている」と話す。8月にも出てくる来年度予算の概算要求の規模次第で「長期金利は3%まで上昇する可能性がある」と言う。
新発国債利回り(午後3時時点)

為替
円は対ドルで163円台後半で推移。中東情勢の緊迫化を受けてドルが買われやすい。
三井住友銀行市場営業部の納谷巧為替トレーディンググループ長は「中東情勢を受けた米金利上昇によってドル買いが広がっており、ドル・円は自然体で164円は行くだろう」と語る。今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「利上げがあれば165円を試す」と予想する。
米財務省は23日発表した外国為替報告書で、2026年4月までの数年間にわたる円の下落が「大幅な円の過小評価をもたらした」と指摘し、「日米金利差の縮小にもかかわらず円安が続いている」と言及した。
納谷氏は「円安が進んでいるタイミングだけに、日本の介入は容認するというメッセージ」とみる。1月に「米国がレートチェックを行ったことを考えると市場はもっと反応してもよいと思うが、あまり反応していない」とも指摘。「おそらく自然体でドルが上昇しているためドルロングが積み上がっておらず、市場の鼻息が荒くないことの表れではないか」と述べた。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:横山桃花.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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