(ブルームバーグ):中国のAIスタートアップ、霊初智能(PsiBot)は、企業価値14億8000万ドル(約2400億円)の評価で約1億ドルの資金調達を進めている。急成長するAI分野への投資家の関心を追い風に、中国の有力AIスタートアップの一角に加わる。
霊初智能は、中国の自動車メーカー、奇瑞汽車が主導し、アップルやテスラ向けのセンサーを手掛ける藍思科技(レンズ・テクノロジー)などの投資家も参加する資金調達の最終段階に近づいている。2024年の創業以来の調達額は約3億ドルに上る。
霊初智能は、身体性AIとワールドモデルの分野で事業を展開する数少ないユニコーン企業となる。ワールドモデルは、ロボットや自動運転車が現実世界を認識し、周囲の環境に応じて行動することを可能にする技術。これらの分野はAIの次の最前線として急速に注目を集め米中AI競争の主戦場となっており、科学的発見を後押しする可能性も秘めている。
同社は、ジョージ・ワシントン大学で博士号を取得したビクター・ワン氏、アリババグループとテンセント・ホールディングス(騰訊)でロボット開発に携わったシャオジエ・チャイ氏、北京大学の楊耀東氏、スタンフォード大学の客員研究員で、著名なAI研究者の李飛飛氏に師事するチェン・ユアンペイ氏が上海で設立した。
中国企業は、政府の支援や豊富な産業データ、活発なオープンソースのエコシステムを背景に、世界でも最も積極的にワールドモデルを開発している。ワールドモデルは、言葉による問いに答えるだけでなく、現実世界の物体と相互作用する次世代の機械を実現する可能性がある。
ビクター・ワン氏は、「ワールドモデルが目指すのは、大規模言語モデル(LLM)やチャットボットよりもさらに大きなインパクトを持つものだ」と述べた。
霊初智能のAIモデルは、専用の手袋やヒューマノイドロボットなどで収集した現実世界のデータから学習する。同社は中国の大手物流会社や、世界有数の光ファイバーケーブルメーカーで自社プラットフォームの運用・実証を進めている。
ワン氏は「シリコンバレーの最先端AI研究機関であるOpenAIやメタでさえ、十分なデータを持っていない」と述べた上で、「われわれは今年、100万時間分のデータを収集し、汎用的なワールドアクションモデルの構築を目指す」と語った。
原題:China’s Psibot Becomes Latest AI Startup to Hit $1 Billion Value(抜粋)
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