高市早苗首相は17日午後、家計や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をはじめとする年金基金による日本の金融資産へのさらなる投資を後押しする方策を追求することは重要だと述べた。参院予算委員会で答弁した。

高市首相は、国民が日本の経済成長の果実を享受できるように家計やGPIFなどの年金基金による「日本の金融資産へのさらなる投資を後押しする方策を追求する、そして、成長と国民の資産形成の好循環を促すことは重要だ」と言明した。

GPIFの資産運用に関しては片山さつき財務相が、国内投資を促進する考えを示し、資産構成割合(ポートフォリオ)についても「必要があれば修正が行われることはある」と発言していた。この日の首相の発言は片山氏の見解を追認する形となり、円相場は一時、1ドル=162円10銭台に上昇した。発言前は30銭台で推移していた。

高市早苗首相

ポートフォリオ

GPIFは、国内外の債券と株式に25%ずつ等分に投資している。GPIFは日々の運用で、それぞれの資産ができるだけ25%から離れないようにリバランスしているが、一定程度のかい離は認められている。

例えば国内株式と国内債券はいずれも上下6%の幅を認めており、最大で31%まで比率を高めることもできる。

首相はポートフォリオの修正については言及しなかったが、GPIFが「リバランスと呼ばれる資産の売買を機動的に実施している」と指摘。「例えば円安ドル高局面であれば、外国資産を売却して国内資産を購入するということになる」と述べた。

みずほ銀行国際為替部為替スポットチームの田中潤平次長は、「高市首相がGPIFに言及したことで、GPIFの運用姿勢に何らかの変化が起こることが考えられる」と指摘。GPIFの運用が変わっても、いきなり大規模な円買いがあるわけではないとしながらも、「これまでのように円安一辺倒で考えない方が良い」との見方を示した。

片山財務相は10日の閣議後会見で、高市首相のもとで日本経済が成長型に移行し、株式市場が「このところも非常に堅調に動いている」と指摘。その上で「GPIFをはじめとする年金基金に、日本の金融資産にさらに投資してもらう方向で後押しする方策を追求したいと考えている」と表明した。

三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、高市首相の発言を受け、政府として資産配分の変更も視野に入れているとみる。その上で、「再び短期でトリプル高の方向に反応する可能性がある。政府が主眼を置くのは国債だとみられ、これまで同様に債券が一番反応しやすい」と予想している。

--取材協力:日高正裕、堤健太郎.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.