韓国の主要半導体株に連動する新しいレバレッジ型商品の価格が、急落している。高いリターンを狙った韓国の個人投資家には、大きな損失リスクが広がっている。

ブルームバーグが集計したデータによると、サムスン電子とSKハイニックスに連動する十数本のレバレッジ型上場投資信託(ETF)の価格は、5月下旬の上場以降、ほぼ半値まで下落した。このうち運用資産残高が34億ドル(約5500億円)と最大の「サムスンKODEX SKハイニックス単一銘柄レバレッジ」は、設定以来約45%下落し、6月に付けた高値からは60%超下落している。

こうした損失は、世界のAIサプライチェーンの中核を担い、韓国株式市場の世界有数の上昇相場を支えてきた半導体大手2社へのレバレッジ投資が抱えるリスクを浮き彫りにしている。これらの商品は大きな利益をもたらす可能性がある一方、運用会社は目標とするレバレッジ倍率を維持するため、相場上昇時には買い増し、下落時には売り増すのが一般的で、市場の変動を一段と拡大させる可能性がある。

「これらのレバレッジETFの急落は、多くの個人投資家が短期売買ツールではなく長期投資商品として保有していたとみられるため、とりわけ大きな痛手となった」と、フィボナッチ・アセット・マネジメントのユン・ジョンイン最高経営責任者(CEO)は指摘する。「こうしたETFでの大幅な損失は、個人投資家が半導体株を買い向かう意欲や余力を低下させ、市場回復は海外機関投資家の資金流入への依存度が高まる可能性がある」と述べた。

韓国株は14日も下落が続いた。前日には、世界のAI関連株の上昇相場が過熱気味だとの懸念から、SKハイニックス株がソウル市場で過去最大となる15%安を記録するなど、市場は急落した。

ゴールドマン・サックス・グループの機関投資家向けセールス・アンド・トレーディング部門のリポートによると、13日の極端な値動きの主因は、個別株レバレッジETFで急速なデレバレッジが進んだことだった。「これらの商品は大幅な下落に見舞われ、積極的なガンマ・リバランスを余儀なくされたことで下落の連鎖が増幅され、月曜日の国内機関投資家による売り越しの62%を占めた」とリポートは指摘した。

個別株レバレッジETFは5月下旬にソウル市場で上場し、当初の運用資産総額は30億ドルだった。韓国での導入は、香港で同様の商品が爆発的な人気を集めたことを受けたものだ。昨年10月の上場以来、香港上場の「CSOP SKハイニックス・デイリー(2X)レバレッジド・プロダクト」は急速に資産を拡大し、この種の商品として世界最大となった。

ブルームバーグ・インテリジェンスが集計したデータによると、ソウル市場に上場する個別株レバレッジETFの運用資産残高は急速に膨らみ、6月のピーク時には100億ドルを超えた。

こうしたETFに伴う価格変動や損失の大きさを受け、韓国当局がこれらの商品を認可した判断への反発が強まっている。韓国では長年、この種の商品は禁止されていたが、市場の活況期に米国市場へ流出する個人資金を呼び戻し、自国通貨を支える目的で方針を転換した。しかし、これらのファンドが市場変動の原因として批判されるようになり、韓国の金融当局トップは先月、上場を認めたことについて後悔していると述べた。

一方で、個人投資家の熱狂はなお続いているようだ。

ブルームバーグ・インテリジェンスの集計によると、韓国のレバレッジ型およびインバース型ETFには過去1カ月で38億ドルの資金が流入した。流入の中心は、SKハイニックスとサムスン電子に連動する個別株ファンドだった。

ユン氏は、「規制当局はこれらの商品を全面的に禁止するのではなく、投資家保護を強化する方向に進むとみている」と述べた。その上で、「より厳格な適合性要件の導入、リスク開示の強化、投資家教育の充実が主な対応策になる可能性が高い」との見方を示した。

原題:Leveraged Chip Bets Backfire in Korea as Biggest ETF Falls 45%(抜粋)

--取材協力:Abhishek Vishnoi.

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