(ブルームバーグ):2026年の米株高の波に、目立って取り残されているグループがある。約4年にわたる強気相場をけん引してきた米巨大テック7社で構成する「マグニフィセント7」だ。
ブルームバーグが算出するマグニフィセント7指数は、7社が資金を投じるAIブームが他のテクノロジー銘柄を押し上げ続ける中でも、年初来ではほぼ横ばいにとどまっている。
今年は、S&P500種株価指数構成銘柄のうち300銘柄を下回るパフォーマンスとなっており、ダラー・ツリーやハベルといった比較的小規模な企業にも後れを取っている。
マグ7の不振はウォール街の市場関係者を悩ませている。年末時点におけるS&P500種の目標株価(平均)について、同指数の約3分の1を占めるマグ7の寄与を見込み、7824.09ポイントに到達すると予想していたためだ。
マグ7が足踏みを続けた場合、この目標を達成するには、同7銘柄を除くS&P500種構成銘柄が、年初来の13%の値上がりに加え、年末までにさらに6.8%上昇する必要がある。
ハミルトン・キャピタル・パートナーズのアロンソ・ムニョス最高投資責任者(CIO)は「この先、とりわけマグ7の参加なしにS&P500種が力強い上昇を続けるのは難しいだろう。例えばエネルギーのように大きく上昇したセクターの多くは、一定の下落圧力にさらされるためだ」と指摘。「マグ7は指数が上昇するか下落するかに極めて大きな影響を与える」と語った。

過去10年のほぼ大半を象徴する投資テーマだったマグニフィセント7は、今年に入って人気に陰りが見えている。AI関連インフラ整備に投じられる巨額資金から最大の恩恵を受ける企業へと、市場の関心が移ったためだ。
半導体メーカーがテクノロジー分野への有力な投資先となり、フィラデルフィア半導体株指数は年初来で78%上昇している。対照的に、ブルームバーグ・マグニフィセント7プライス・リターン指数の上昇率は0.5%にとどまる。
マホニー・アセット・マネジメントのケン・マホニー最高経営責任者(CEO)は、「少なくともメタやアマゾン、マイクロソフトといったマグ7の一部は、AIインフラ投資を支える資金の供給元となってきた」と指摘。その上で、「投資リターンが不透明な状況で多額のフリーキャッシュフローを投じている状況を、市場は好意的には受け止めていない」と語った。
こうした状況は年末時点の目標株価の達成を危うくしている。目標株価の平均である7824.09ポイントは、8日終値から約5%の上昇余地を示している。ヤーデニ・リサーチのエド・ヤーデニ氏やオッペンハイマーのジョン・ストルツファス氏はさらに強気の見方を示しており、同指数が1月までに8000ポイントを突破すると予想している。
マグニフィセント7の緩慢な上昇ペースが続けば、その穴を埋める役割は残る493銘柄が担うことになる。ブルームバーグの試算によると、目標株価の平均を達成するには、493銘柄が6.8%上昇する必要がある。
出遅れは行き過ぎの声
モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェースなどはここにきて、半導体メーカーや市場全体と比べたマグニフィセント7の出遅れは、行き過ぎとの見方を相次ぎ示している。
モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのリサ・シャレット最高投資責任者(CIO)は、半導体株が著しい買われ過ぎの領域にあるとして、投資機会の観点からマグ7を見直すべき時期に来ていると指摘する。
「半導体メーカーやメモリー関連企業では、受注残の積み上がりや価格決定力の拡大が目を見張る水準に達しているが、それが持続可能だとは考えていない」と、同氏は7日付リポートで指摘。
「これはサイクルの終わりを予想するものではないが、AIインフラ整備の恩恵を受けるであろう勝ち組候補への投資を再分散し、ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)の一部を改めて組み入れるべきだという提言だ」と述べた。
ブルームバーグのマグニフィセント7指数は、2026年上半期に1.9%下落する一方、S&P500種は9.3%上昇した。その差は11ポイントと、年初来のパフォーマンス格差としては過去2番目の大きさとなった。
株価下落で、マグ7の株価収益率(PER)は昨年10月下旬の32.6倍から23.9倍へ低下し、投資妙味が高まっている。ブルームバーグ集計によると、マグニフィセント7指数のバリュエーションは先月、S&P500種を2.4ポイント上回る水準にとどまり、過去最低に近い水準までプレミアムが縮小した。

原題:Mag 7 Weakness Is Starting to Become a Problem for Wall Street(抜粋)
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