格付け会社S&Pグローバル・レーティングスは、オラクルの長期発行体格付けを投資適格級で最低水準となる「BBB-」へ1段階引き下げた。AIへの投資拡大を理由に挙げている。同社の格付けは投資適格級として最低水準となり、ジャンク級まであと1段階となった。

S&Pは声明で、オラクルのAI事業には多額の初期投資と長期のデータセンター賃貸契約が必要だと指摘した。AIサービスの需要は足元では強いものの、競争は激しく、AIに巨額を投じる他のテクノロジー企業の方が資金調達力で勝るとしている。また、フリー営業キャッシュフローから判断して、2027年度は420億ドル(約6兆8200億円)のキャッシュバーン(現金燃焼)を予想。従来予想の240億ドルから見通しが悪化した。

「オラクルが急速に拡大するAIインフラ事業は、同社全体の信用リスクを高めている」とS&Pは指摘した。他の理由として「収益化への道筋が不透明であること」や、「AIインフラ業界が急速に変化し、競争環境も激化していること」を挙げた。

オラクル株は9日のニューヨーク市場を2.7%高の144.22ドルで引けた。一時は149.07ドルまで上昇していたが、格下げを受けて伸び悩んだ。

オラクルの長期発行体格付けはムーディーズ・レーティングスが「Baa2」、フィッチ・レーティングスが「BBB」としており、いずれもS&Pより1段階高い格付けに相当する。両社とも現時点で格下げを検討しているわけではないが、ムーディーズは中期的には格下げの可能性があるとしている。

ハイパースケーラーと呼ばれる大手テクノロジー企業の格付けは、概してオラクルより高い。例えばマイクロソフトはS&Pから最上位の「AAA」、メタ・プラットフォームズは4番目に高い「AA-」の格付けを受けている。投資適格級の格付けは通常、企業の借り入れコストを大幅に引き下げるほか、財務の安定性を重視する長期契約の獲得にも有利に働く。

オラクルは先月、年内の追加社債発行は予定していないと説明し、債券投資家の不安沈静化に動いた。一方で、現在の会計年度中に負債と株式で総額400億ドルを調達する計画も示している。

同社は2月に250億ドルのドル建て社債を発行した。現在、ブルームバーグの米投資適格社債指数に組み入れられているオラクル債は、約1170億ドルに達し、金融機関を除けば最大級の社債発行体となっている。

原題:S&P Cuts Oracle’s Rating to BBB-, One Notch Above Junk (1)(抜粋)

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