ispace(iスペース)株は9日の東京市場で前日比80円(19%)高の508円まで上昇し、値幅制限いっぱいのストップ高で取引を終えた。上昇率は2025年1月以来の高水準となった。スペースXの「スターシップ」を活用した月面向けペイロード輸送サービスの構築計画を前日に発表したことが材料視され、買いが集まった。

同社が構築を目指す移動式貨物システムはローバー型で、月面の着陸地点から最大数キロメートル先まで、数百キログラムの顧客ペイロードを運搬できる。早ければ2030年にスターシップで打ち上げる予定で、iスペースはすでに500キログラム分のペイロード枠を確保したとしている。

袴田武史最高経営責任者(CEO)は9日、ブルームバーグ・テレビで「輸送需要は潜在的に大きく、獲得していきたい」と話した。

iスペースはこれまで2度、月面着陸ミッションに失敗している。日本国内外で商業宇宙産業への需要が高まる一方、その追い風を十分に生かせていない。次回の月探査ミッションは2028年に予定されている。

同社は次回の月探査ミッションに先立ち、米アーゴ・スペースと共同で、早ければ来年にも軌道衛星を打ち上げることを目指す。これは2030年までに少なくとも5基の月周回衛星を打ち上げる計画の第1弾となる。

23年の月面着陸ミッションが成功していれば、iスペースは米国以外の企業として初の商業月面着陸を達成していた可能性があった。しかし実際には、月面への最終降下段階で探査機との通信が途絶えた。25年の2回目のミッションも、宇宙船が硬着陸した可能性が高く、失敗に終わった。

3回目のミッションは28年に予定されており、29年と30年もそれぞれ1回の月面着陸を計画している。袴田氏は「次は必ず成功させる」と語った。

--取材協力:Shery Ahn.

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