(ブルームバーグ):日本株は2026年後半も上昇基調を維持する可能性がある。高市政権の政策方針を背景に、市場では年前半の記録的な株高を主導したテクノロジー株に加え、防衛やインフラを含む幅広い分野に物色の裾野が広がるとの見方が出ている。
AIブームの過熱を背景に半導体業界の先行き不透明感が強まる中、市場の関心は政府による今後の経済政策の優先課題などを示す「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」へと移りつつある。6月末に示された原案ではAIのほか、防災・国土強靱(きょうじん)化など幅広い分野への支援が打ち出された。7月中旬の閣議決定を目指し、与党と調整が進んでいる。
ペッパーストーン・グループのリサーチストラテジスト、ディリン・ウー氏は、骨太の方針は「年後半で最も過小評価されている材料」と指摘し、「株式市場への波及効果は直接的だ」と述べた。
AI・半導体関連は引き続き政策支援の恩恵を受け、防災やインフラ投資の拡大は建設や素材セクターなどを押し上げると分析する。また、企業の設備投資拡大に向けた税制優遇は「産業機械や自動化関連に追い風」とみている。
AIや半導体関連銘柄の影響力が大きい日経平均株価は年初から32%上昇。台湾や韓国株の上昇率には及ばないものの、MSCIワールド指数をアウトパフォームしている。
MSCIジャパン指数の業種別指数で最も好調なのは情報技術だ。構成銘柄のうち、半導体メモリー製造のキオクシアホールディングスは約590%値上がりし、上昇率トップに立つ。
防衛関連に見直し余地
骨太の方針に対する注目は、政府が定めた17の戦略分野の一つである防衛産業にとって追い風となる可能性がある。原案では「装備・体制の両面で5年以内に防衛力を変革する」との方針が示されている。防衛セクターは今年ここまで、AI関連などと比べ出遅れてきた。
安全保障分野の強化の恩恵が見込まれる日本企業で構成するMirae Asset Japan Defense Tech Indexの年初来上昇率は15%にとどまり、主要株価指数を下回っている。国内最大の防衛関連企業である三菱重工業の株価は0.5%安とマイナスだ。
岩井コスモ証券の林卓郎投資情報センター長は、防衛関連は見直される余地があるとみる一人だ。電力のほか、AIとロボットなどが融合するフィジカルAIを含め「企業がより収益性の高い分野へ積極的に投資し、民間投資も含め将来への期待が高まるようなムードが維持される」と読む。
もっとも、物色対象が広がる中でもAI関連が引き続き日本株を支える重要な柱との位置付けに変化はなさそうだ。骨太の方針の原案に先立ち、政府は2040年度までの投資ロードマップを示し、戦略17分野で選定した製品・技術のうち、フィジカルAIに10.5兆円、半導体に68兆円の官民投資を見込む。
ジュリアス・ベアのアジア株式調査アナリスト、ルイス・チュア氏は政府の政策方針が今後数カ月の日本株上昇を後押しすると予測。同氏はリポートで「複数年の予算措置や民間投資を促す税制優遇により、戦略分野の企業は持続的な成長軌道に乗る可能性がある」と指摘している。
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