(ブルームバーグ):イーロン・マスク氏率いる米宇宙開発企業スペースX傘下の「スペースXAI」は、スペースXが買収するAIコーディング新興企業カーソル(Cursor)と共同開発した初の人工知能(AI)モデルを発表した。
「Grok(グロック)4.5」はライバルのアンソロピックやOpenAIに対抗し、金融・法務・コーディング分野のタスク処理で一層優れた能力の発揮を目指す。 8日のブログへの投稿で明らかにした。
スペースXは先月、カーソル(正式名称Anysphere)の企業価値を600億ドル(約9兆7600億円)と評価する株式交換での買収を正式発表したばかり。Grok 4.5は両社が共同開発した初のAIモデルで、正式な買収合意公表からわずか数週間後に披露された。スペースX上場後のAIモデル投入もこれが初めて。
代表的なAIコードエディター(編集ツール)を提供するカーソルは、開発者が大まかな指示を与えるだけで、AIがプログラミングコードを自動生成・修正する「バイブコーディング」時代をリードするスタートアップとして知られる。
新たなモデルは、多くのトップAI開発者にとって重要なソフトウエアエンジニアリング(設計・開発・運用の体系的アプローチ)など「長い時間を要する困難なタスク」の処理を想定し、設計された。カーソルの従来モデルとは異なり、Grok 4.5は法務や金融サービスなど、より幅広い業務に対応し、サイバーセキュリティー機能も強化された。
カーソルとのAIモデル共同開発には、AI競争で巻き返しを図り、より多くの法人顧客を獲得する狙いがある。マスク氏はスペースXに統合した自身のAIスタートアップ、xAIについて、コーディングで後れを取っていたことを認め、人事の再編に動いた。
xAIはスペースXに統合され、同社のAI部門スペースXAIとなった。5月にはアンソロピックの製品に対抗し、初のコーディングエージェントをリリースしていた。
ブルームバーグが先に伝えたところでは、マスク氏の会社は収入拡大を図るため、ウォール街の顧客獲得に向け金融業務に力を注ぐ構えだ。
カーソルはブログ投稿で、「被害を引き起こす可能性が最も高いワークフローを制限しつつ、脆弱(ぜいじゃく)性の発見や修正を含む正当なセキュリティー業務を継続する」ことを目指し、「悪意のある主体を検知・遮断する」措置を講じたと説明した。
原題:SpaceXAI, Cursor Unveil Grok AI Model for Coding, Finance Tasks(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.