(ブルームバーグ):世界有数のヘッジファンド運用会社は過去5年で最も好調な1-6月(上期)の運用成績を報告した。各社を苦しめた3月の厳しい相場は、既に過去の出来事となりつつある。
多くの運用会社はテクノロジーにフォーカスした投資が追い風となり、足元で過去最高の四半期成績を記録した半導体株の上昇を取り込んだ。ナスダックやFTSEラッセルの指数へのSpaceXの迅速な組み入れなど、指数リバランス戦略に特に有利となった一連の動きで、数十億ドル規模の利益を上げた運用会社もあった。
マーシャル・ウェイスの旗艦ファンド「ユーレカ」の運用成績は6月がプラス6.7%、上期はプラス19.9%となった。事情に詳しい関係者が明らかにした。DEショーのマクロ戦略ファンド「オキュラス」は6月がプラス5.6%、上期ではプラス27.4%に達したと、非公開情報を理由に別の関係者が匿名で述べた。
このほか、半導体企業への投資やアンソロピックへの投資が寄与し、ホエール・ロック・キャピタル・マネジメントも好成績を収め、上期にプラス72.5%のリターンを記録した。アパルーサ・マネジメントはプラス32%のリターンとなった。AI向けコンピューティング需要を背景に今年大きく上昇したメモリー半導体分野への投資が主な原動力となった。
一方、マルチ戦略ヘッジファンド大手ミレニアム・マネジメントでは、指数変更の取引に特化したわずか二つのチームだけで6月に約37億ドル(約6000億円)の利益を計上し、全体の月間成績を押し上げた。
ヘッジファンド調査会社ピボタルパスによると、ヘッジファンドの2026年6月30日時点までの平均リターンはプラス7.2%となり、上期として21年以来最も好調となった。中でもテクノロジー株に特化したヘッジファンドが平均でプラス27%のリターンと全体をけん引した。
安定した運用成績
ヘッジファンド各社は、イランでの戦争によりホルムズ海峡の海運が事実上停止し、原油相場上昇とインフレ懸念の高まりを招いた3月の厳しい局面から持ち直した。このほか、AIによる市場構造の変化への懸念を背景としたソフトウエア株急落で、一部のヘッジファンドは大きな損失を被っていた。
過去数年の安定した運用実績を背景に、ヘッジファンドへの投資意欲も高まっている。プライベートエクイティー(PE、未公開株)など他のオルタナティブ資産が投資家の期待を下回ったことも、その一因となっている。ピボタルパスによれば、20年1月以降、ヘッジファンドの複利リターンはプラス8.5%となっている。
ピボタルパスのジョン・カプリス最高経営責任者(CEO)は「特にプライベートエクイティーやクレジット市場に課題がある中で、こうした一貫した運用実績がヘッジファンドへの投資需要が再び高まっている理由だ」と指摘した。
もっとも、全てのヘッジファンドが好調というわけではない。事情に詳しい複数の関係者の話では、エクソダスポイント・キャピタル・マネジメントは6月の運用成績がプラス0.2%にとどまり、マルチ戦略型の競合を下回った。これにより上期のリターンはプラス4.3%となった。一方、クオンツヘッジファンドは23年以来の運用不振に直面している。
以下は、一部ヘッジファンドの運用成績推計。各社の担当者はコメントを控えるか、コメント要請に応じなかった。
原題:Hedge Funds Shake Off Brutal March to Post Best Half Since 2021(抜粋)
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