(ブルームバーグ):台湾の検察当局は、米スーパー・マイクロ・コンピューターの社員2人を拘束した。エヌビディア製半導体の中国への密輸疑惑を巡る捜査の一環で、今週初めには台湾オフィスが捜索を受けている。
事情に詳しい関係者によると、検察当局は文書偽造と背任の疑いでスーパー・マイクロの社員4人を捜査している。非公開情報だとして匿名を条件に語った同関係者によれば、基隆地方法院はこのうち2人の勾留を認めた。残る2人は保釈されたが、台湾からの出境を制限されたという。
同社は、社員2人の拘束と、2人の保釈を確認した。捜査終了まで4人全員を休職扱いにした。1日、同社ウェブサイトに顧客に向けた公開書簡を掲載し、「法律または社内規定に違反する者は一切容認しない」と説明した。
事情に詳しい関係者によると、同社の販売代理店、青雲国際科技(アルバトロン・テクノロジー)のマネジャーも拘束された。アルバトロンは1日の届け出で、マネジャー1人の拘束を確認。データセンター運営会社の是方電訊(チーフ・テレコム)の従業員1人も今週、事情聴取を受けたという。
スーパー・マイクロは書簡で、同社自体は捜査対象ではなく、捜査当局に社員の端末やシステムへのアクセスを提供したと説明。「台湾当局の取り組みを支援するため、数カ月にわたり情報を提供し、協力してきた」と述べ、台湾オフィスでの当局の動きを家宅捜索とする報道に異議を唱えた。
今回の疑惑では、台湾の捜査当局が6月29日、中国へ半導体を密輸した疑惑を巡る捜査の一環として、6人全員の住居とスーパー・マイクロ、アルバトロン、チーフ・テレコムの各オフィスを捜索した。
スーパー・マイクロは捜索後の29日、「台湾およびその他の管轄区域の法執行機関、政府当局者に引き続き協力している」と説明した。
同社は今月1日の顧客向け書簡で、「捜査が継続中のため、当社は捜査の全容を把握していない」とした上で、捜査は「顧客へのサービスとサポートの提供能力には全く影響しない」と記した。
チーフ・テレコムは1日、捜査に協力していると説明。業務は通常通り継続しており、財務や事業に重大な影響はないとした。
裁判所当局者は1日、3人が拘束されていると確認したが、詳細な説明は控えた。聯合報などの台湾メディアも、拘束された人物の所属企業を報じた。
今週拘束された人物とは別に、継続中の捜査に関連して5月にも3人が拘束されていた。この3人は、半導体密輸容疑者として拘束が明らかになった初の例で、需要が極めて高いエヌビディア製AI半導体を搭載したスーパー・マイクロ製サーバーの輸出関連文書を偽造した疑いも持たれている。少なくとも1回、エヌビディア製半導体を中国に送ったほか、約50台のサーバーを輸出しようとした疑いもある。このサーバーは台湾を出る前に押収された。
台湾は現在、AI半導体の対中輸出を犯罪として扱っていない。ただ、中国は台湾への武力行使の可能性を排除しない考えを繰り返し示しており、台湾当局は高度技術が中国に渡るリスクを警戒している。台湾の安全保障を支える米国も、中国政府によるAI技術へのアクセスを制限する取り組みを進めている。
台湾当局は中国への販売を検討する業者に対し、実行すれば米国の規則に違反する可能性があると警告している。ただ、台湾の裁判所を通じて現時点で取り得る法的手段は、密輸が疑われる人物を既存の現地法令違反で訴追することに限られる。台北当局は現在、中国向け輸出そのものを犯罪とすることを検討している。実現すれば、検察当局は違法取引を摘発するための手段を増やせる。
原題:Taiwan Detains Super Micro Workers in China Smuggling Probe (1)(抜粋)
--取材協力:Twinnie Siu、Dina Bass.
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