(ブルームバーグ):韓国株は大幅に下落。米メタ・プラットフォームズがAI向けの計算資源などを提供するクラウドインフラ事業の立ち上げを計画していることを受け、AI向けコンピューティング能力の供給過剰への懸念が広がり、半導体株に売りが膨らんだ。
韓国総合株価指数(KOSPI)は一時8.3%下落した。SKハイニックスは14%、サムスン電子は10%それぞれ急落した。韓国取引所はこれに先立ち、KOSPI先物が大幅に下落したことを受け、プログラム売買を一時停止した。
前日の米国株式市場では半導体メモリーメーカーのマイクロン・テクノロジーとサンディスクが、ともに10%を超える下げで取引を終えた。
今回の値動きは、AI投資ブームを背景に世界的な急騰を続けてきた半導体株相場の持続性に対する投資家の不安を一段と強める可能性がある。韓国市場の主力銘柄は半導体サプライチェーンの中核を担っており、これまで先端ハードウエアに対する旺盛な需要の恩恵を受けてきた。しかし、最近の韓国株の値動きは、そのブームの持続性に疑問が生じると、市場心理がいかに急速に変化し得るかを浮き彫りにしている。
ブルームバーグ・ニュースが報じたところによると、メタはAI向けの計算資源やAIモデルへのアクセスを提供するクラウドインフラ事業の立ち上げを計画している。
また米アップルが、米国防総省のブラックリストに掲載されている中国の半導体メーカー2社から半導体を調達する方向で協議を進めていることも韓国の半導体株の重しとなった。この報道を受け、市場ではサムスン電子とSKハイニックスが持つ競争優位性が薄れつつあるのではないかとの懸念が広がった。
ユニオンバンケールプリヴェ(UBP)のマネジングディレクター、ベイサーン・リン氏は「メタが『余剰の計算能力』の提供を検討していることは、その活用先を十分に見つけられていない、あるいは設備投資が行き過ぎた可能性を示唆している」と指摘。「これは韓国市場のような『つるはしとシャベル』関連銘柄にとってマイナスの意味を持つ」と述べた。
ユージン・アセット・マネジメントで最高投資責任者(CIO)を務めるハ・ソックン氏は、アップルが中国市場で販売する製品向けに、中国半導体メーカーの長鑫存儲技術(CXMT)と長江存儲科技(YMTC)のメモリー部品を調達することを検討しているとの報道について、韓国勢が現在持っている汎用(はんよう)DRAM市場での価格決定力に対する市場心理を悪化させる可能性があるとの見方を示した。
外国人投資家はKOSPI構成銘柄を5兆ウォン(約5200億円)超売り越した一方、個人投資家は買い越した。

韓国株式市場は今年に入り世界で最も好調な市場の一つとなっているが、その上昇はサムスン電子とSKハイニックスの2社への依存度が高い。このため、半導体セクターに対する投資家心理が変化すると、市場全体が大きく変動しやすい構造となっている。さらに、値動きを増幅させるレバレッジ型上場投資信託(ETF)の存在も市場の変動性を高める要因となっている。
リード・キャピタルのCIO、ジェラルド・ガン氏は「韓国市場のきょうの下落は、前日の米国市場の軟調な動きにも一因がある」とした上で、「韓国市場では、AI関連株を押し上げてきた個人投資家のレバレッジを活用した投機的なポジションの整理が、なお続いている可能性がある」と分析した。
原題:Korean Stocks Tumble 8% as AI Jitters Trigger Chip Selloff(抜粋)
(第2段落以降に最新の値動きなどを追加して更新します)
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