(ブルームバーグ):ロシアのプーチン大統領は、ウクライナでの戦争終結に向け米国特使との協議を継続する用意があると語った。一方で、双方に大きな打撃を与えている長距離攻撃の停止案については拒否した。
プーチン氏は28日夜に放映された国営テレビとのインタビューで、米国がイランとの戦争への対応にそれほど追われなくなれば、特使のスティーブ・ウィトコフ氏とジャレッド・クシュナー氏がモスクワを訪れ、ウクライナでの戦争終結に向けた協議を再開する見通しだと述べた。
プーチン氏は「われわれは引き続き交渉し、合意ではなくとも、少なくともアンカレジで議論されたテーマについて、詳細や具体的な進め方を議論する用意がある」と主張した。アンカレジとは、昨年8月に米アラスカ州でトランプ米大統領と行った会談を指している。
ウクライナとロシアの間では現在も接触が続いているとプーチン氏は述べたが、詳細には触れなかった。また、ロシアとウクライナが互いの領内深くに対する攻撃を停止し、戦闘をロシアが占領するウクライナ4州に限定するという提案を拒否したとも説明した。
プーチン氏は「ウクライナ領内深くへのロシアの報復攻撃は、はるかに強力かつ痛烈で、率直に言って破壊的だ。極めて重大な結果をもたらしている」と主張。戦闘地域を限定するという案を受け入れれば、ウクライナ軍が他の地域から部隊を移動させることができるようになるため拒否したと語った。
ただ、そのような提案を誰が行ったのかについては明らかにしなかった。
長距離攻撃の限定的な停止にすら応じないプーチン氏の姿勢は、ウクライナがロシアに被害を負わせる能力を高める中にあっても、ウクライナに圧力をかけ続ける手段を依然として手放す意思がないことを浮き彫りにする。ロシアは戦争終結の条件として、実際には支配していないウクライナの領土の割譲を含む最大限の要求を後退させてはおらず、米特使との協議を再開してもどのような成果が得られるのか疑問を投げかける。
ホワイトハウスはコメントの要請に応じなかった。ウクライナ大統領府の報道担当者も、質問に対して直ちには回答しなかった。
ウクライナは今年に入り、ロシアのエネルギーインフラや軍事的な標的に対する攻撃を強化。石油精製施設に対する集中的な攻撃で精製が滞り、モスクワなどロシア各地で燃料不足が生じている。ロシア政府の公式データでも、6月16-22日の週に平均ガソリン価格は3%上昇し、少なくとも過去20年間で最大の上昇率を記録した。
ウクライナは27日、国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア南部ボルゴグラードの軍需工場を攻撃したと発表した。射程3000キロメートルにも及ぶこのミサイルをウクライナ軍は最近使い始め、長距離攻撃の選択肢が一段と増した。ボルゴグラードはウクライナ国境から約460キロメートルの地点に位置する。
ゼレンスキー大統領は28日、ウクライナ軍がロシアのクラスノダール地方およびヤロスラブリ州の石油精製施設を攻撃したと明らかにした。先週には、ボロネジ州の工業施設への攻撃で5人が死亡し、数十人が負傷した。
さらに、ウクライナによる攻撃はロシアが一方的に併合したクリミアへの兵たんや補給路にも打撃を与えている。クリミアは危機的状況に陥り、当局は緊急措置の導入を強いられた。
攻撃の影響は金利の高止まりとガソリン不足の深刻化に直面する一般のロシア人にも、ますます及ぶようになっている。ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は、燃料市場の混乱を、追加利下げの余地がほとんどない理由の一つとして挙げた。
ロシアの複数の地域当局は給油制限を導入し、これまでに何らかの燃料配給または供給障害が発生した地域はロシア全土の約75%に上る。
原題:Putin Ready for Ukraine Talks But Won’t Halt Long-Range Strikes(抜粋)
--取材協力:Skylar Woodhouse.
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