(ブルームバーグ):24日の米議会。トランプ大統領と上院共和党議員の一部が言い争う場面があった。トランプ氏は超党派の住宅関連法案に署名する計画を突然取りやめた一方、議員側は対イラン戦争の対応を巡って大統領を追及した。
連邦議会議事堂では大統領と上院共和党議員との非公開の昼食会が予定されていたが、トランプ氏はその直前に法案への署名を拒否。会合では緊張が急速に高まった。住宅関連法案には、大手機関投資家による一戸建て住宅の保有を制限する内容などが盛り込まれている。
住宅関連法案の成立を遅らせるトランプ氏の決定により、共和・民主両党の議員だけでなく大統領自身にとっても、11月の中間選挙を前に住宅費や生活費を巡る有権者の懸念に対処する上での進展をアピールする機会が失われた。
さらに今回の対立は、共和党が議会での多数派維持に向けて厳しい闘いに直面する現状にあって、大統領と同党議員の間に広がる相互不満を浮き彫りにした。
事情に詳しい関係者によると、中間選挙に向けた共和党のルイジアナ州予備選でトランプ氏の推す候補に敗れたカシディ議員は、中東情勢を巡って大統領を繰り返し批判した。一方、上院共和党トップのスーン院内総務は仲裁役を務めようとした。
別の関係者の話では、トランプ氏は自身の戦争対応を弁護し、米大統領としてイランによる核兵器保有を阻止するために行動を起こしたのは自分が初めてだと主張した。関係者は匿名を条件に語った。
かねてトランプ氏に批判的なカシディ議員はその後、前日に上院が可決した対イラン戦争終結決議案を大統領が批判したことについて、自身は反論したと記者団に明らかにした。また、戦争の目的について国民に率直に説明する必要があるとトランプ氏に伝えたという。
「私の記憶では、大統領は私の発言をあまり快く思わなかった。声を荒らげ、私も感情的になった。それは適切ではなかったが、それでも私は再び大統領と同じ口調と声量で応じた」とカシディ議員は語った。
さらに、「上院に一層多くの情報を共有し、米国民にも一段と多くの情報を開示するよう求めるため、大統領に立ち向かったことについて、私は何ら謝罪するつもりはない」とコメント。他にも「1人か2人」が発言したと話したものの、議員名は明かさなかった。
トランプ氏は24日の早い時点から対決姿勢を強めている様子だった。議事堂で予定されていた住宅関連法案署名式の2時間足らず前、同氏はSNSへの投稿で、これまで上院で可決に至らなかった選挙制度改革を議会が承認するまで、この法案には署名しないと表明した。
トランプ氏は、上下両院で圧倒的な超党派の賛成多数で可決された住宅関連法案について、金利引き下げに比べれば「重要度は低い」と批判。自身が推進する選挙制度改革案「米有権者資格保護(Save America)法案」の議会通過を果たすこととは比較にならないと主張した。この法案は、投票のために写真付き身分証明書の提示と米国市民権を証明する書類の提出を義務付ける内容となっている。
その後、トランプ氏は記者団に対し、「総じて言えば、わが党は非常によく結束している」と述べたものの、共和党上院議員との会合でどのような話し合いが行われたかは詳しく語らなかった。
今回の衝突にもかかわらず、議会共和党はおおむね大統領を支持している。トランプ氏の忠実な支持者として知られるスコット上院議員は、大統領が戦争終結決議案に不満を抱くのは当然だとの認識を示した。
一方、住宅関連法案を巡るトランプ氏の対応は象徴的な意味合いにとどまる可能性もある。大統領は法案が送付されてから、日曜日を除く10日以内に署名するか拒否権を行使する必要があり、その間に何らの措置も取らなければ法案は成立する。
ジョンソン下院議長(共和)は24日、トランプ氏がこの期限が切れる前に法案に署名するとの見方を示した。
議会の主導権を左右する中間選挙を前に、有権者は燃料価格や住宅価格の急上昇で一段と深刻化した生活費の高騰を最大の関心事に挙げている。住宅価格は新型コロナウイルス禍後に大幅上昇し、その後数年間で住宅ローン金利が2倍超に上昇した後も、高止まりしている。
共和党指導者はこれまでも繰り返し、経済政策に関する発信に重点を置くよう、トランプ氏に求めてきた。一方、大統領の反対派は、住宅関連法案への署名を遅らせたトランプ氏の判断を受け、有権者の家計への懸念を軽視していると批判を強めた。
原題:Trump, GOP Clash After President Scraps Housing Bill Signing (2)(抜粋)
--取材協力:Emily Birnbaum、Caitlin Reilly、Skylar Woodhouse、Steven T. Dennis、Aidan Williams、Dina Katgara、Katy O'Donnell.
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