(ブルームバーグ):世界の食料供給を脅かす「スーパーエルニーニョ」への警戒感の高まりを背景に、新たなコモディティー・ファンドが設立される。
エルニーニョは太平洋の海面水温が平年より高い状態が続き、それに大気が反応して起きる現象で、世界各地の天候に大きな影響を及ぼす。米気候予測センターによると、今年から来年にかけて「強い」または「非常に強い」エルニーニョへ発達する確率は67%に達する。こうした現象は一般に「スーパーエルニーニョ」と呼ばれる。
ヘッジファンドのモアトン・キャピタル・パートナーズは、南アフリカ産トウモロコシやマレーシア産パーム油、オーストラリア産小麦など、この気象現象の影響を受ける可能性がある複数の商品を取引する特別目的ファンド向けに5億ドル(約810億円)の資金調達を目指している。同社共同創業者のレス・ファインモア氏は、市場はこうしたリスクを過小評価していると指摘する。
同氏はメキシコ市からのビデオインタビューで、「世界の食料情勢は劇的に変わるだろう。市場は現在、このリスクを著しく過小評価している」と語った。

今回観測されているエルニーニョは、観測史上でも有数の強さとなる可能性があり、世界最大のコメ輸出国であるインドでは、すでにモンスーンの到来が遅れている。世界銀行は、イラン戦争による肥料や燃料コストの上昇に農家が直面するなか、エルニーニョによって食料価格が従来予想を上回って押し上げられる可能性があると警告している。
ファインモア氏は「エルニーニョが発生したこと自体は誰もが分かっている。しかし、多くの農作物にとって問題となるのは、その規模と深刻さだ」と指摘。「今回のエルニーニョが観測史上最悪となれば、食料インフレに計り知れない影響を及ぼすことになる」と警告した。
同社が立ち上げる「MCPスペシャル・オポチュニティーズ・ファンド」は9月末までの資金調達完了を目指している。コモディティー間の価格差を狙う取引や、先物・スワップを使った売買など、さまざまな手法を活用して運用する方針だ。主な投資家としては、異常気象による損失リスクを抱える保険会社のほか、大学基金や年金基金などの機関投資家を想定している。
ファインモア氏は「これまではイラン情勢に注目してきたが、次の重要テーマはエルニーニョになる」と述べた。
原題:Hedge Fund Targets $500 Million for Trading El Niño Crop Risks(抜粋)
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