韓国総合株価指数(KOSPI)のボラティリティーが極端な水準に達しており、急激な値動きをミーム株ブームになぞらえる声が出ている。

世界有数の半導体メーカーによる堅調な利益が同指数を支えていることを踏まえると、こうした比較は一見誇張に聞こえるかもしれない。しかし、全く根拠がないわけではない。個人投資家の関心拡大を背景に、同指数は今年、終値ベースで前日比5%以上の上昇または下落を記録した日が、23日の10%急落も含め20回に達した。2025年はわずか2回だった。

米国市場でゲームストップやベッド・バス・アンド・ビヨンドなどの銘柄が、個人投資家主導の熱狂的な売買の対象となった2021年のミーム株ブームを想起させる動きだ。

ボラティリティー増大の主要因の一つとして、単一銘柄に連動するレバレッジ型上場投資信託(ETF)に個人投資家の資金が殺到していることが挙げられる。また、市場におけるサムスン電子とSKハイニックスの存在感が一段と高まっていることも相場変動を増幅している。両社は現在、KOSPIの時価総額全体の約60%を占める。

バンテージ・グローバル・プライムの市場アナリスト、ヘベ・チェン氏は、「2026年のKOSPIは、ミーム株のような勢いで取引され始めている」と指摘。

「サムスン電子とSKハイニックスが過度に大きな影響力を持つ中、レバレッジ商品が機械的に値動きを増幅している。また、その資金の向かう先となる有力な投資対象が限られている市場環境では、AIを巡るセンチメントの変化が、一瞬で指数全体を動かす出来事になり得る」と述べた。

KOSPIは激しい変動相場の波に乗り、年初来で倍以上値上がり。世界の主要株価指数でトップのパフォーマンスとなっている。値動きの振れ幅拡大により、韓国取引所は今年、サーキットブレーカーをすでに4回発動した。これは2000年以降に発動された計10回のほぼ半数に当たる。

ブルームバーグが集計したデータによると、KOSPI200ボラティリティー指数は過去最高水準に上昇しており、原指数の日々の変動率がおよそ6%に達することを示唆している。

韓国の個人投資家が市場に過大な影響力を及ぼしている一因が、レバレッジ型ETFだ。韓国の金融監督当局が導入を認めたことについて後悔していると表明したことを受け、大きな話題を集めた。

こうした当局の姿勢は、相場上昇が企業業績などのファンダメンタルズではなく、商品設計やテクニカル要因による資金フローによって部分的に支えられていたのではないかとの懸念を強めている。

単一銘柄のレバレッジ型ETFは、リバランス需要を通じて上昇局面と下落局面の双方で値動きを増幅する可能性があり、個人投資家の参加が多い超大型株では特に顕著となる。

バークレイズのアジア太平洋地域キャッシュ株式執行責任者、マット・トムズ氏は、「KOSPIは市場全体に対するベータ値が非常に高い。これは個人投資家の積極的な参加と、少数の銘柄への集中を反映している」と指摘。

「その結果、時にはミーム株を連想させるようなボラティリティーを伴って取引されることもある。実際には時価総額が数兆ドル規模の企業であるにもかかわらずだ」と述べた。

ゴールドマン・サックス・グループの試算によると、韓国株市場が5%変動すると、オプションディーラーがリスクエクスポージャーを調整する過程で、約47億ドル(約7600億円)規模のETFリバランス資金が発生し得る。これは通常の韓国株売買代金全体のおよそ8分の1に相当する。

サムスン電子は今年、株価が1日で10%以上変動した日がすでに8回あった。前年はゼロだった。一方、SKハイニックスでは11回に達しており、前年の2回から大幅に増加している。

サムスン電子とSKハイニックスはKOSPIの時価総額全体の約60%を占める

CLSAシンガポールのチーフ株式ストラテジスト、アレックス・レッドマン氏は、「ナスダック指数が2%動けば、KOSPIは10%動くことになる。個人投資家によって韓国市場ではボラティリティーが大幅に増幅されているためだ」と述べた。

その上で、23日の10%急落に言及し、「通常、市場が1日で価値の10分の1を失えば極度のパニック状態になる。しかし実際には、市場はほぼ慣れっこの雰囲気だった。これまで何度も同じような経験をしてきたからだ」と語った。

もっとも、ミーム株のような値動きはボラティリティー上昇の一因ではあるものの、市場を支える根本的な好材料は変わっていない。半導体需要は引き続き拡大基調にあり、企業業績見通しを押し上げている。また、当局は少数株主の保護強化に向けた改革を進めている。

ゴールドマンで韓国株の高タッチ取引部門責任者を務めるクリス・チャ氏は、「次の魅力的な投資機会は、相場急落で割安に見える時ではなく、強制的な売りが和らいでいることを示す明確な兆しが表れた時に訪れる公算が大きい」とリポートで指摘した。

さらに23日の急落は「市場構造に過熱感が生じると、中長期的に有望な投資テーマであっても急激な調整に見舞われる可能性があることを改めて認識させた」と述べた。

原題:Korea’s Surging Equity Volatility Draws Meme-Stock Comparisons(抜粋)

--取材協力:Sangmi Cha、Jan-Patrick Barnert、Charlotte Yang、Jiyeun Lee.

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