米アンソロピックのAIモデルを活用するAIスタートアップ、リージョンは23日、アンソロピックが手掛ける「ミュトス(Mythos)5」および「フェイブル(Fable)5」への外国人のアクセスを制限した米政府の措置を不服として、首都ワシントンの連邦裁判所に提訴した。規制を受け、アンソロピックは、両モデルへのアクセスを停止している。

弁護士向けツールを開発するリージョンは米国に拠点を置く一方、ソフトウエア開発担当者の中には、カナダ国内で勤務するカナダ国籍の従業員がいるという。同社は、特にFable 5モデルへのアクセス停止で「開発の中核を担う最新ツールを瞬時に失った」と主張。損害は「即時的で回復不能かつ会社の存続に関わるものだ」としている。

さらにAI開発のペースは速く、競争も激しいため、モデルを利用できない間に生じる遅れは取り戻せないとも強調。「命令が続く限り、製品開発や事業運営に支障が生じ、エンジニアの業務にも影響が及ぶ。最も高性能なモデルへのアクセスが競争力を左右する業界で、会社の存続が脅かされている」と訴えている。

ホワイトハウスと商務省はコメント要請に直ちには応じなかった。

アンソロピックの広報担当者は、発表資料で、事態の解決へ可能な限り迅速に取り組んでいる「政府に感謝している」と表明。「重要インフラを保護し、米国がAI分野で主導権を維持できるようにするという共通の目標に向け、引き続き政府と協力する」とした。

訴訟で被告として名前が挙がっているのは、ラトニック商務長官ら。ラトニック氏は書簡で、アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)に対し、同社がFable 5およびMythos 5モデルを米国外で、あるいは外国籍の人に提供する場合には、政府の事前許可が必要になると警告していた。

リージョンのアーサー・ロスロック共同創業者兼CEOは、政府の措置が危険な前例になるとの懸念から提訴を決めたと明かし、「OpenAIのような他社にも同じことをしないと誰が言えるのか」と語った。

原題:Anthropic Customer Sues US Over Loss of Fable AI Access (1)(抜粋)

--取材協力:Maggie Eastland.

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