(ブルームバーグ):日本銀行が6月15、16日に開いた金融政策決定会合で、景気を過熱も抑制もしない中立金利に向けて早めのタイミングでの追加利上げが必要とする意見が政策委員から示された。「主な意見」を24日に公表した。
ある委員は、「急激・大幅な利上げを避けるには、政策金利を中立金利に早めに近づけるべきである」と指摘。中立金利は2%程度と考えられるとし、利上げは「これを念頭に数カ月に一度のペースで、経済・物価・金融情勢を確認しつつ、都度、検討していくことが望ましい」と語った。

別の委員は、米欧と異なり、日本の政策金利は中立金利の推計レンジを下回っているとし、「上下両にらみで機動的な政策判断が行えるよう、可能な限り早く中立金利に近づけていく必要がある」と述べた。
会合では政策金利を31年ぶりの高水準となる1.0%程度に引き上げることを決定。利上げ継続方針を維持するとともに、基調的な物価上昇率が目標の2%から上振れるリスクに言及し、インフレ対応を重視する姿勢を強めた。今回の利上げ後も複数の委員が早めの緩和調整の必要性を主張した。
為替要因
外国為替市場で円安が進む中、ある委員は「為替要因からも輸入価格が上昇している」と説明。こうした物価上昇が経営負担となる企業は中小零細を含めて相応にあるとし、「緩和度合いの調整は以前より適切となっている」との見方を示した。
日銀の利上げ後も、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内利上げ観測などを背景に円安が進行。22日の米国時間には円は対ドルで一時161円93銭と162円台に迫った。その後は介入警戒感から円売りは一服し、24日は161円台半ばで推移している。
一方で、利上げは企業の設備投資抑制を通じて総需要を抑制するため、「インフレ率の低下と生産・雇用の低下を同時に誘発する可能性がある」との懸念も示された。その委員は現時点での利上げは見送るべきだと主張した。
会合には植田和男総裁が病気療養で入院中のため欠席したが、意見を書面で提出した。総裁を除く8人で行われた採決では、賛成7人に対し、浅田統一郎審議委員が政策維持を主張して反対票を投じた。議長を氷見野良三副総裁が務め、会合後の記者会見は内田真一副総裁が行った。
物価に関しては、価格転嫁のスピードの速さに着目する意見が目立った。ある委員は原油価格上昇の影響が既に川中の企業物価に波及しているとし、「今後、物価上昇につながるリスクをより懸念する状況にある」と指摘。原油価格が下落しても、物価上振れに広がりが生じる可能性が高いとの声もあった。
ブルームバーグが6月会合後の17日に実施した緊急のエコノミスト調査によると、次の利上げのタイミングについて、最多は12月の52%で、次いで10月が36%となった。9月の2%を合わせ、年内利上げの予想が90%を占めた。連続利上げとなる次回7月の見方はゼロだった。
足元の金利スワップ市場が織り込む日銀による1.25%への利上げ確率は、9月会合までが約30%、10月会合までは約60%、12月会合までは100%以上となっている。
他の主な意見
- 国債買い入れの減額を停止しても購入額は発行額の2割以下、市場機能を阻害することはない
- ストック効果を通じた長期金利の押し下げ効果維持の観点で、国債購入は減額停止が妥当
- 成長型経済への変化が重要、マクロの需給動向と物価の関係の慎重な確認を-内閣府出席者

(詳細や説明を追加して更新しました)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.