(ブルームバーグ):ドイツのメルツ首相は、追加的年金保険制度の支払いを被雇用者と雇用主に新たに義務づけ、その資金をファンドで運用する案を検討すると表明した。資金は合計で年300億ユーロ(約5兆5200億円)以上に上る見通し。同国政府は年金制度の包括的な強化策に取り組んでおり、その一部に位置づける。
この案は定年年齢の段階的な引き上げや早期退職を認める規則の強化などとともに、年金委員会およびバス労働相が提案。提案を受け取ったメルツ氏は、全面的に実行に移す方針だと語った。
メルツ氏は23日、ベルリンで記者団に対し、「何もしないという選択肢はない」と述べ、「今すぐ行動する必要がある」と続けた。バス氏も同意し、「都合のいい部分だけ選択的に採用することはあり得ない」と強調した。関連法案は夏季休会明けに議会に提出される可能性が高いという。
提案の柱となるのは、税引き前給与の2%に相当する追加的な年金保険料の支払いを段階的に導入し、この資金を一元的に管理するファンドが株式や債券などの証券に投資するという構想だ。ドイツでは過去数十年にわたり年金給付水準の低下が続いていたが、それを反転させることを狙う。策定に当たっては、スウェーデンの制度を基にしたという。
スウェーデンで1990年代末に導入されたプレミアム年金制度は、税引き前給与の2.5%を強制的に個人の年金運用口座に積み立てる。その結果、現在では約3兆スウェーデン・クローナ(約50兆円)規模の年金資産が形成されている。
ドイツの提案でも、個人の専用口座が開設される。最終的には、こうした資金の流入によって、2007年から08年の世界金融危機のような「深刻な金融・経済危機」が発生する場合でも、年金の水準が引き上げられることになると、提案書では論じている。
原題:Merz Backs Pension Plan That Channels €30 Billion to Markets (2)(抜粋)
--取材協力:Michael Nienaber、Kamil Kowalcze、Arno Schuetze、Jenni Thier、Levin Stamm、Charles Daly、Nicholas Comfort、Chris Reiter.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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