ホルムズ海峡では、位置情報を発信したまま通過する船舶が増えている。船主や商社の間で、エネルギー輸送の要衝である同海峡の航行に対する信頼感が高まっていることを示す動きだ。

ブルームバーグが集計した船舶追跡データによると、23日には、イラン船籍以外の満載状態の超大型タンカー2隻を含む計7隻のタンカーがホルムズ海峡内を航行中、または既に通過した。これら全てが位置情報を発信していたことが確認されている。

こうした状況について、ケプラーのシニア原油アナリスト、ムユ・シュー氏は「イランが船舶を攻撃しないとの見方が広がっており、船主の信頼感がある程度強まっていることを反映している」と述べた。

ただ、船舶の安全な航行が確保されるかどうかはなお不透明だと、シュー氏は指摘した。船舶追跡データによると、別の超大型タンカー1隻は位置情報の発信を停止した状態でペルシャ湾に入った。

ホルムズ海峡の再開を巡る動きはなお不安定だが、米国とイランが暫定的な和平合意に署名した後は、同海峡を通過する原油輸送量が増えている。準国営イラン学生通信(ISNA)によれば、イラン政府は23日、ホルムズ海峡は商船に全面的に開放されており、大量の原油が通過していると表明した。

緊張緩和が進み、船舶の通航再開に向けた動きが広がったことで、原油価格は紛争中に付けた高値から4割近く下落している。

より多くの船舶が位置情報を発信するようになれば、原油市場や海運市場に加え、世界の投資家もホルムズ海峡を通過する船舶の動向を把握しやすくなる。

平時には、原油や石油製品、天然ガスを運ぶ船舶に加え、ばら積み貨物船やコンテナ船、家畜輸送船など、1日当たり約135隻が同海峡を通航していた。これらの船舶は通常、自らの位置情報を発信する「自動船舶識別装置(AIS)」を使用している。23日に確認されたタンカーは、いずれもAISを利用していた。

船舶による位置情報の発信は通常、大手保険会社や金融機関、法律事務所が求めている。取引を支えるうえで、船舶の動向把握が欠かせないためだ。

超大型原油タンカー(VLCC)「ユニバーサル・グローリー」は23日午前、サウジアラビア産原油200万バレルを積載してペルシャ湾内からホルムズ海峡に入った。同船の目的地は韓国となっている。

原題:Hormuz Traffic Picks Up as More Tankers Broadcast Crossings (2)(抜粋)

--取材協力:Alex Longley.

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