英資産運用会社M&Gインベストメンツは、人工知能(AI)ブームで大きく上昇した日本株への投資について、最大の勝ち組銘柄へのエクスポージャーを絞り、投資資金の集中が比較的まだ少ないサプライチェーンの他の分野に資金を振り向けている。

アジア市場の運用を担当するポートフォリオマネジャーのビカス・パーシャド氏によると、M&Gはこの半年、日本のウエハー洗浄装置メーカーへの投資比率を引き上げてきた。AI向けアプリケーションに必要なメモリー容量の増加で半導体製造工程が複雑になり、洗浄装置への需要が高まるとの読みからだ。今後3-5年間に中国企業との競争の影響を比較的受けにくいとみられる日本企業を選好していると同氏は言う。

パーシャド氏は先週シンガポールでのインタビューで、「日本株は相場上昇が続く中で、エクスポージャーを縮小してきた。より少数の銘柄に資金を集中させている」と話した。M&Gの運用資産残高(3月末時点)は3440億ポンド(約74兆円)。

AI関連銘柄は、日本の主要株価指数が過去最高値を塗り替える原動力となってきた。米国とイランの対立が他のセクターの重しとなる中、AI関連の勝ち組とそれ以外の銘柄のパフォーマンス格差は拡大している。ハイテク株の比重が大きい日経平均株価は、ソフトバンクグループやキオクシアホールディングス、村田製作所といった銘柄に支えられ、16日には一時史上初の7万円に到達した。

急激な株価上昇を受け、M&Gはバリュエーションの見直しを進め、ここ数週間で積層セラミックコンデンサー(MLCC)メーカーへの投資比率を最も大幅に引き下げたという。同セクターは今年の日本株市場で最も値上がりした分野の一つで、村田製作所の株価は年初から224%、太陽誘電は470%上昇している。

株価の急上昇により、これらの銘柄のバリュエーションは高い。太陽誘電の予想株価収益率(PER)は102倍、村田製作所は約60倍で、東証株価指数(TOPIX)の約19倍を大きく上回る。

M&Gは、中国の半導体自給化による影響を踏まえ日本のウエハーメーカーに対する見方を弱めたほか、検査装置関連企業や化学メーカーの保有を減らしている。保有銘柄は、パーシャド氏がAI主導の需要拡大の恩恵を受けやすいと考える日本企業に絞り込みつつあるという。

パーシャド氏は、NAND型フラッシュメモリーやDRAM、その他メモリー関連企業の利益見通しは引き続き楽観的な成長シナリオを前提にしていると指摘。今の上昇相場が持続するためには、投資家が織り込む成長期待が現実のものとなる必要があると述べた。

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