アジアの投資家は世界最大規模となった宇宙開発企業スペースXの750億ドル(約1兆2000億円)規模の新規株式公開(IPO)に参加する機会が限られる中、その値上がりの恩恵にあずかろうと、さまざまな投資手法を模索している。

今回のIPOに直接参加できない韓国や中国などの投資家は、宇宙産業のサプライチェーン企業や業界をテーマとする上場投資信託(ETF)、ナスダック100指数連動型ファンドなどに資金を振り向けている。スペースX株上場後の値上がり益を取り込もうとする動きだ。

暗号資産(仮想通貨)投資家の間ではスペースX連動型の永久先物が買われており、一部の取引プラットフォームではより複雑な仕組みのデリバティブ(金融派生商品)が提供されている。

バンテージ・グローバル・プライムのアナリスト、ヘベ・チェン氏は「通常では見られないほど幅広い投資スタイルやリスク許容度を持つ顧客の間で、関心が高まっている」と指摘する。「スペースXへの関心は一般的なIPOへの問い合わせというより、ロケットが発射台を離れる前に乗り込みたいという投資家心理に近い」と話した。

投資家が利用する手段は市場によって大きく異なる。アジア太平洋地域で個人投資家がIPOに直接参加できるのは、日本とオーストラリアだけだ。

積極的な個人投資家が多いことで知られる韓国では、一部の投資家が地元の未来アセット証券による私募形式での募集に応募した。聯合インフォマックス・ニュースによると、この募集枠は1分足らずで埋まったという。関連企業や同業他社への投資も有力な選択肢となっている。

特に注目を集めているのがスペースXとつながりのある企業だ。IPOによる新たな資金流入が最終的にサプライヤーにも波及し、衛星や通信機器、打ち上げインフラを含む業界全体を押し上げるとの期待だ。

その結果、中国や台湾の一部企業に関心が広がっている。

中国では、スターリンク関連の地上端末部品を供給する信維通信(サンウェイ・コミュニケーション)の株価が今年に入って60%上昇した。藍思科技(レンズ・テクノロジー)も41%上昇しており、いずれもCSI300指数の上昇率2%を大きく上回っている。

台湾では、衛星・通信関連のサプライヤーである啓碁科技(WNC)が175%上昇し、敬鵬工業(チンプーン・インダストリアル)は91%、昇達科技(ユニバーサル・マイクロウェーブ・テクノロジー)は147%それぞれ上昇した。

報道によると、3社はいずれもスペースX向け部品を供給しているとしており、台湾株の指標である加権指数を上回るパフォーマンスとなっている。同指数は今年49%上昇し、主要株価指数の中で世界有数の好成績を記録している。

こうした取引が最終的にスペースX株並みのリターンをもたらすかは不透明だ。ただ、投資家による争奪戦そのものが、この大型上場がアジア各地の個人投資家にとって主要な投資テーマの一つになっていることを示している。

原題:Locked Out of IPO, Asia Investors Find Ways to Bet on SpaceX (1)(抜粋)

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