(ブルームバーグ):米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のダニエル・アイバシン最高投資責任者(CIO)は11日、複雑な信用構造の急速な拡大は、世界金融危機に至った局面を想起させると警告した。
アイバシン氏は記者説明会で、ピムコはこれまで長年にわたりこのトレンドを大きな懸念材料とはみていなかったものの、現在は動向を注視していると述べた。
「現時点でシステミックリスクがあるとはみていないが、今後数年にわたり注視する必要がある水準まで金融工学の進展ペースが加速し始めている」と、アイバシン氏は述べた。
同氏は、格付け会社が保証や条件付き保証などの信用補完策を過度に重視し、仕組み証券に過度に高い信用格付けを付与している可能性があることを特に懸念していると説明。「人々は昔の手法を再び持ち出している」とし、こうした状況は金融危機前の局面を強く想起させると話した。
アイバシン氏はまた、人工知能(AI)やエネルギーインフラ向け資金需要の急増によって、本来はリスクの高い債務を投資適格級の証券に組み替える動きが一段と強まるとの見方を示した。
「できる限り多くの投資適格リスク資産を生み出したいという強力なトップダウンの圧力が存在している上に、こうした案件は複雑だ」と同氏は語った。
もっとも、ピムコ自体もAIやデータセンター向け融資とは無縁ではない。同社は過去1年間に、過去最大級の案件の幾つかで中心的な役割を果たしてきた。
メタ・プラットフォームズがルイジアナ州で推進する290億ドル(約4兆6400億円)規模のデータセンタープロジェクト「ハイペリオン」を支援したほか、最近ではオラクルがミシガン州で建設するデータセンター向けに160億ドルの資金調達パッケージの多くを提供することで合意した。
アイバシン氏はこのほか、上場投資信託(ETF)業界でレバレッジ活用が拡大していることにも警戒感を示した。こうした商品では、個人投資家が一部資産の日次リターンの2倍や3倍といった値動きに連動するエクスポージャーを得ることができる。
「こうした商品は一段と難解な担保を用いながら、極めて積極的なペースで市場に投入されている」と警告。「全体の規模は現時点では懸念すべき水準ではない。だが、一層積極的な方向に流れが変わっており、こうした仕組みを正常なものとして定着させようとする動きが見られる」と指摘した。
原題:Financial Engineering Is Resembling Pre-Crisis Era, Pimco Warns(抜粋)
--取材協力:David Scheer.
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