FIFAワールドカップ2026(W杯)にアジア勢トップのランキングで臨むサッカー日本代表、サムライブルー。初のベスト8進出が期待される中、日本株市場では動画配信サービスや飲食、ゲーム関連株に追い風が吹くとの見方が出ている。

11日に開幕する今大会で日本の快進撃が続けば、広告大手の電通グループやサイバーエージェントがその恩恵を大きく受けそうだ。過去の大会時の動向を見ると、キリンホールディングスやコナミグループ、英国風パブ運営のハブなども関連銘柄として注目される可能性がある。

マネックス証券の吉野貴晶チーフ・マーケット・アナリストは、「日本代表がグループリーグを突破し、活躍することが鍵になる」と指摘。実現すれば視聴者が増え、動画配信サービスの契約数拡大につながるとの期待が高まると述べた。

電通Gは日本国内の放映権を最大350億円で取得したと報じられている。放映権は通常、国内の各放送局に再販される。サイバーAもネットテレビ「ABEMA(アベマ)」へのアクセス増加を通じて恩恵を受ける可能性がある。スポーツ配信大手のDAZNと提携して中継を提供する同サービスは2022年のカタール大会でも多くの視聴者を集め、スポーツ観戦の定番プラットフォームとしての地位を確立している。

日本代表は前回大会で強豪のドイツとスペインを破る番狂わせを演じてベスト16入りした。今回も本大会出場を早々に決めており、さらに上位進出への期待が高まっている。前回は日本がグループリーグを首位で突破したことを受け、サイバーAやコナミG、ハブ、キリンHDのほか、ミズノやフジ・メディア・ホールディングスの株価が上昇した。

消費関連企業は今大会からの追い風を真っ先に受けるとみられている。日本サッカー協会のパートナー企業であるキリンHDに加え、アサヒグループホールディングスなどはパブリックビューイングや自宅観戦の増加に伴い、飲料需要が押し上げられる可能性が高い。

ハブは試合中継の観戦向けに予約席が付いた1人4000円のプランを用意し、需要の取り込みを図っている。

大和証券の鈴木雄大郎エコノミストは、日本経済へ短期的なインパクトはほとんどないとしつつ、「セクター物色は見られるだろう」と予想する。日本代表が勝ち上がり盛り上がってくれば、ハブなどの飲食関連や、ミズノやアシックスといったスポーツウエアが注目されやすいとみている。

W杯への関心の高まりはゲーム業界にも波及しそうだ。SBI証券の鈴木英之投資情報部長は、W杯をきっかけに恩恵を受ける銘柄としてコナミGを挙げる。FIFAと提携してFIFAeワールドカップを運営しており、サッカー協会と密接に連携しているためだと言う。

株価への影響は限定的にとどまるとの見方も少なくない。SBI証券の鈴木氏は、投資家の関心は依然として半導体関連株や人工知能(AI)関連銘柄に集中していると話す。

日本代表が市場の期待通りの成功を収めるかどうかも不透明だ。スポーツ賭博大手のbet365によれば、優勝候補と目される強豪国との差はなお大きい。

それでも、大和証券の鈴木氏はW杯を通じ、長期的にJリーグへの関心も高まる可能性を指摘。Jリーグのオンラインストアを運営する楽天グループや、アパレルで提携するファーストリテイリングなど、スポンサーや関連企業に追い風となり得ると述べた。

日本代表は14日に米テキサス州ダラスでオランダと対戦し、その後、今月中にチュニジア、スウェーデンと戦う予定だ。

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