(ブルームバーグ):イランは今週、国際原子力機関(IAEA)の査察官によるブシェール原子力発電所への視察を許可したが、濃縮ウランの備蓄状況や保管場所の確認については要求に応じなかった。
IAEAの報告書によると、ブシェール視察の許可を歓迎するとしつつも、イランが保有する兵器級に近い高濃縮ウランを巡る懸念については解消されなかったと指摘した。イランの核物質は核弾頭約12発分を製造できる量とされるが、過去1年間にわたり確認されていない。
ブルームバーグが確認した未公開の報告書によると、査察官は3日間にわたりブシェールを訪問したものの、「申告済みのその他の核活動の状況についてイランから情報提供を受けていない」という。
IAEAのグロッシ事務局長は、査察官が業務を再開できるようイランに求めるとともに、イスラエル、米国、イランの間で続く膠着(こうちゃく)状態について交渉による解決を訴えた。
IAEAの査察活動は昨年、およそ半減した。同年に米国とイスラエルが核施設を空爆したことにイランが反発したためだ。査察官は現在も、被害を受けたフォルドゥ、イスファハン、ナタンズの施設に立ち入れていない。
IAEAの報告書は、米国とイスラエルによる対イラン戦争によって、これまで存在しなかった新たな核問題が生じたことを浮き彫りにしている。報告書に詳しい2人の外交筋が匿名を条件に明らかにした。
両氏によると、問題の核物質がIAEAの監視下にない状態が長引くほど、平和目的以外に転用されるリスクは高まる。
ホワイトハウスはイランの核開発計画が壊滅したとの見解を維持している一方で、濃縮ウランの扱いについて交渉を進めている。トランプ米大統領は濃縮ウランについて、イラン国外へ搬出する案や、IAEAの監督下で国内で無力化する案などに言及してきた。
8日にはオーストリアの首都ウィーンでIAEA理事会の重要会合が開かれる予定で、市場関係者はイランの核開発計画に関する新たな情報に注目している。

原題:Iran Allows Bushehr Nuclear Inspection, Stonewalls Over Uranium(抜粋)
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