JOLTS求人件数の増加を株式市場はポジティブに解釈した模様

6月2日の米国株式市場は、イラン情勢に大きな変化がない中で、4月のJOLTS求人件数が市場予想を上回って増加したことが注目され、景気楽観論が広がった。半導体関連株への期待が続き、SOX指数が大幅に上昇したことも、特徴的だった。

米経済には、イラン情勢の悪化(原油高)が家計にダメージを与えているという観点から景気不安がある。AIの普及についても、潜在成長率を押し上げるという期待がある一方で、短期的には生産性の向上によって経済の供給力が引き上がり、負の需給ギャップの拡大が失業の増加につながるという不安も指摘されている。いずれの観点からも、労働者層の消費や雇用が経済のアキレス腱と認識せざるを得ない。そのため、4月のJOLTS求人件数が増加したことは、こういった不安を和らげるものと言え、株式市場では好感されやすい。むろん、インフレ懸念というテーマもあることから、労働需給がタイトになり過ぎることは株式市場にとってリスクになり得る。そのため、6月5日に公表される5月の雇用統計では雇用者数変化や失業率だけでなく、平均時給の伸び率にも注目が集まるだろう。

利上げ観測が高まりやすいが、長期金利は安定的

6月2日の米国債券市場は、原油価格や米経済の動向が読みにくい中で、比較的安定した状況が続いている。長期金利は前日差▲1.0bp、2年金利は同+1.0bpだった。米国とイランの交渉が想定より難航しているという見方から、原油価格が1週間ぶりの高値となっている。そのため、FRBの利上げ観測が高まっており、中期金利には上昇圧力が続いている。もっとも、FRBが利上げを排除しない姿勢を示していることから、長期のインフレ予想(BEI)や長期金利は比較的安定した推移になっている。株高が進んでいることもあり、リスクオフによって長期金利が大きく低下するような可能性は低い一方で、上昇リスクもあまり高くない。