(ブルームバーグ):米エヌビディアは同社の新型マイクロプロセッサーについて、アンソロピックやOpenAI、スペースXが初期の大口顧客になると明らかにした。人工知能(AI)データセンター分野ですでに大きな存在感を持つエヌビディアにとって、事業拡大に向けた最新の取り組みで重要顧客を確保した格好だ。
エヌビディア共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のジェンスン・フアン氏は1日、台湾での世界最大のIT(情報技術)見本市「Computex台北」の開幕を控えたプレゼンテーションでこれらAI開発企業の名前を挙げた。
同氏によると、アンソロピックなどはエヌビディアの中央演算処理装置(CPU)「Vera」をデータセンターで最初に採用する企業の一角を占める。新製品は今年7-9月(第3四半期)に量産開始予定だ。
エヌビディアはAIデータセンター技術の変化する潮流を認識し、すでに他社に先行していると顧客や投資家にアピール。AI関連業務の中心がソフトウエアの学習から運用や関連サービスへ移る中、より汎用(はんよう)的なCPUの活用を巡る議論が活発化し、エヌビディアのAIアクセラレーターの重要性が低下するのではないかとの懸念も浮上している。
Veraは、エヌビディアが初めて投入するスタンドアローン型データセンター向けマイクロプロセッサー。インテルの「Xeon」シリーズやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の「EPYC」、さらにアマゾン・ドット・コムの「Graviton」のような大規模クラウド事業者の自社開発プロジェクトと真っ向から競合する。
フアン氏は先月、顧客企業が部品面での独立性確保を進めようとしているにもかかわらず、アマゾンなどでエヌビディアのシェア拡大が続いていると語った。また、データセンター事業者が必要とするあらゆる構成要素を提供し、それらを専門知識が限られた顧客でも速やかに導入できる形でコンピューターに統合している企業はエヌビディアだけだとの主張も続けている。
フアン氏によれば、VeraはAI関連の主要ワークロードにおいて、「x86」として知られるインテル技術ベースのチップに比べて1.8倍高速だという。エヌビディアがこれまで業界標準だった製品に対し、性能比較を前面に打ち出したのは今回が初めて。
エヌビディアはまた、データセンター向けコンピューターの計画・導入・監視に利用されるソフトウエア製品群も更新・拡充した。ユーザーはオープンソースの「DSX」製品について、必要な機能だけを選択して利用できると説明した。
同社によると、新製品にはデータセンターが必要とする電力の管理・監視を大幅に効率化できる利点がある。その結果、同じ電力予算の範囲内でエヌビディア製アクセラレーターを最大40%多く利用できる可能性があり、大きな優位性だと訴えている。
さらにエヌビディアは、パソコンメーカー各社との協業により、新たな高性能ワークステーションも投入する。
マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」向け「Nvidia DGX Station」は、ウィンドウズを利用する企業によるAIソフトウエアの開発・展開を支援するという。デル・テクノロジーズなどのパソコンメーカーはこれら製品の販売を10-12月(第4四半期)に開始する予定。
原題:Nvidia Says Anthropic, OpenAI Among Users of New Vera Chip (1)(抜粋)
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