(ブルームバーグ):世界最大の資産運用会社、米ブラックロックは、2200億ドル(約35兆円)規模のモデルポートフォリオ全般で米国株への強気姿勢をやや後退させている。好調な企業決算を背景に株式相場が史上最高値を更新する中での動きだ。
ブルームバーグが確認した投資見通しによると、同社は株式のオーバーウエート幅を3%から1%へ引き下げた。この配分変更により、ブラックロックの上場投資信託(ETF)間で28日に数十億ドル規模の資金移動が発生したことが、ブルームバーグ集計データで明らかになった。
ブラックロックのターゲット・アロケーションETFモデルポートフォリオのリード・ポートフォリオマネジャー、マイケル・ゲイツ氏は、米企業の「歴史的な好決算シーズン」を受けたものだと同投資見通しで説明。好調な企業業績や生産性の大幅な向上、安定した経済環境を背景に、S&P500種株価指数がここ数週間に過去最高値を更新しており、イラン戦争や米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利下げ観測後退による影響を相殺していると、同氏は述べた。
ただ、株式のアウトパフォーマンスを期待するのは次第に難しくなっていると同氏は警告した。市場はこうした好材料を既に織り込んでおり、「潜在的なリスクを回避できる余地は狭まっている」との見方を示した。
その上で、同社は引き続き株式への強気な見方を維持しているとし、企業利益の拡大や人工知能(AI)、政府支出の増加を見込んだ投資ポジションを維持すると続けた。
モデルポートフォリオは、複数のファンドを組み合わせてあらかじめ構築した運用戦略として金融アドバイザー向けに提供する商品で、近年急速に人気が高まっている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によると、モデルポートフォリオの運用資産残高は3兆ドルに達し、ETF資産全体の約22%を占める。ブラックロックが運用するモデルポートフォリオの資産残高は2200億ドル超と、前年の1500億ドルから増加した。
ブルームバーグのデータによると、今週の資産配分見直しを受け、直近の取引ではiシェアーズ・コアS&P500ETF(銘柄コード:IVV)に120億ドル超の資金が流入した。また投資見通しによれば、AIの導入が最も進んでいる地域への投資機会を狙うiシェアーズ・インターナショナル・カントリー・ローテーション・アクティブETF(CORO)には過去最大規模の資金が流入した。

一方で、ファクター戦略やテーマ型ETFからは資金が流出した。ブルームバーグのデータによると、直近の取引ではiシェアーズMSCI米国クオリティー・ファクターETF(QUAL)、iシェアーズS&P500バリューETF(IVE)、iシェアーズUSテーマティック・ローテーション・アクティブETF(THRO)、iシェアーズMSCI米国モメンタム・ファクターETF(MTUM)などから計100億ドルが流出した。
株式以外では、従来のポートフォリオのヘッジ手法を見直す中、長期米国債のエクスポージャーを削減し、グローバル債券や流動性の高いオルタナティブ資産への配分を増やしていると、ゲイツ氏は説明した。
「こうした環境下では、従来のヘッジ資産は以前ほど効果を発揮していない。また、イールドカーブのベアフラットニングが進む中で、長期金利へのエクスポージャーに依存し続けることはできない」と指摘。「当社は分散投資手段そのものを多様化するアプローチを取っている」と続けた。
原題:BlackRock Scales Back Equities After ‘Generational’ Earnings(抜粋)
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