イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は29日、二次的な物価波及効果が現れない限り、英国経済を支えるためにインフレ率が一時的に2%目標を上回っても容認できるとの考えを示した。

ベイリー氏はアイスランドのレイキャビクで開かれた経済会議で講演し、BOEはすでに市場から利下げ観測を後退させることで経済に影響を与えており、その結果として金融環境は引き締まっていると述べた。

ベイリー氏は29日「実体経済の弱さや、ショックの規模と長さを巡る不確実性を踏まえれば、実体経済をある程度支えるためにインフレ率が一時的に目標を上回ることを容認するのは、このトレードオフに対応する適切な方法だ」と語った。ただし、「二次的な波及効果の兆候が現れ始めれば、その容認姿勢は弱まるだろう」とも述べた。

Photographer: Betty Laura Zapata/Bloomberg

英中銀による利上げ観測は5月に入って大きく後退しており、金利スワップ市場では2026年末までに0.25ポイントの利上げが1回行われるとの見方が織り込まれている。4月下旬時点では、年内に3回の利上げが予想されていた。

ベイリー氏は、二次的な波及効果が現れるまでには時間がかかるため、金融政策委員会(MPC)の判断は難しいものになると述べた。MPC内では、一部の委員が英国で来年大幅な賃上げが起こると懸念しているが、ハト派寄りの委員は、失業率上昇を背景に、こうした事態を見込んでいない。

ベイリー氏は講演後の質疑応答で、「労働市場が徐々に軟化しているという姿は、かなり一貫して見て取れる」と評価した。

ベイリー氏は、持続的な物価圧力の脅威についても警告し、2022年のロシアのウクライナ侵攻後にインフレ率が2桁台へ急上昇した「過去4年間の経験」を考慮しなければならないと強調した。

原題:BOE May Tolerate Temporary Inflation to Support UK, Bailey Says(抜粋)

--With assistance from Andrew Atkinson.To contact the reporters on this story:Irina Anghel in Reykjavik at ianghel1@bloomberg.net;Tom Rees in London at trees20@bloomberg.netTo contact the editors responsible for this story:Brendan Scott at bscott66@bloomberg.netJulian Harris

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