米国と他の北大西洋条約機構(NATO)加盟国の緊張を受け、欧州各国は米軍に過度に頼らない集団防衛を検討している。一方、アジアでは状況が大きく異なる。

米国はここ数年、インド太平洋地域の同盟国との防衛での連携を深め、ミサイルシステムや戦闘機など兵器の同地域への配備を増やしてきた。台湾を巡る対立など潜在的な危機に備え、共同訓練の規模と複雑さも拡大している。

イラン戦争で米軍への負荷が高まり、日本を拠点とする米海兵遠征部隊が中東に派遣されるなど、アジアでは一部の戦力不足が生じている。トランプ米大統領が安全保障問題を交渉材料として扱う姿勢も、同盟国や協力国を不安にさせている。台湾への武器売却を中国との「交渉カード」と表現した最近の発言もその一例だ。

とはいえ、政治的な駆け引きとは別に、西太平洋での米軍配備と作戦は第1次トランプ政権以降、着実に拡大している。

こうした動きは、中国と北朝鮮への対応に米軍の力が不可欠だと考える日本や韓国、オーストラリアなどで歓迎されている。シンガポール開催のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)では30日、ヘグセス米国防長官が演説を行う。アジア各国の国防高官は、米軍の関与を巡る同長官の説明に注目している。

トランプ政権が中国をロシアよりもはるかに直接的な課題だと見ていることも、アジアの米同盟国にとって追い風となる。それでも、米国の関与を維持するには、貿易面での譲歩や防衛予算の拡大、さらには米大統領への称賛さえ必要になる。

オバマ政権時代にホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)に勤務したエバン・メデイロス氏は「欧州の反応は自立と戦略的自律だ」と指摘。「一方、アジア、とりわけ日本、韓国、オーストラリアの反応は、同盟をさらに強化し、米国をさらに引き込むものだ」と述べた。

一方、米国がドイツ駐留軍の削減を計画していることで、NATOへの米国の関与を巡る欧州の懸念は強まっている。トランプ氏は、米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦へのNATOの支援が不十分だとして不満を募らせ、同盟からの離脱の可能性を公に示唆している。

フランスのマクロン大統領は、戦略的自律を最も強力に提唱する指導者の一人だ。フランスの核戦力を拡充し、欧州が自らをより適切に防衛できるようにすべきだと訴えてきた。

マクロン氏は4月、「われわれが学ぶべき教訓は、もはや依存してはならないということだ」と述べた。

原題:Europe Weighs Less Reliance on US as Asia Doubles Down (1)(抜粋)

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