(ブルームバーグ):全国の先行指標となる5月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)の伸び率は前月から縮小し、日本銀行が目標とする2%を4カ月連続で下回った。総務省が29日に発表した。
コアCPIは前年同月比で1.3%上昇した。市場予想は1.5%上昇だった。伸び率の縮小は6カ月連続となる。東京都による基本料金の無償化措置の影響を受けて水道料が34.6%下落し、全体を前月から0.23ポイント押し下げた。生鮮食品を除く食料も4.1%上昇に伸びが鈍化し、下押し要因となった。

日銀は4月28日の金融政策決定会合で政策金利の維持を決める一方、利上げ路線の継続を明確にするとともに、コアCPI見通しを大幅に引き上げた。今回の東京CPIの結果は政策要因による影響が大きく、日銀の利上げのタイミングへの影響はなさそうだ。
みずほ証券の片木亮介マーケットエコノミストは、今回はインフレの鈍化が続いていることを示すデータとなったが、先行きインフレになることは「ほぼ確実な情勢になってきている」と指摘。できるだけ中立金利に近づけていくという日銀の金融政策は変わらないとし、「6月の利上げの可能性は非常に高い」とみている。
足元の金利スワップ市場が織り込む日銀の利上げ確率は、6月の金融政策決定会合が約77%、7月会合までは約93%となっている。
東京外国為替市場の円相場は、対ドルで159円台前半での推移。イラン戦争の解決が近いとの見方から有事のドル買いが巻き戻されている。市場予想を下回った東京CPIへの反応は限定的となっている。

生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは1.6%上昇と前月から伸びが縮小した。2カ月連続で2%を下回った。市場予想は1.8%上昇だった。総合指数は1.4%上昇と伸びが縮小。2%割れは5カ月連続となる。市場予想は1.6%上昇だった。
賃金動向を反映しやすいサービス価格は1.1%上昇となり、前月の1.0%上昇からプラス幅が拡大した。民営家賃や持ち家の帰属家賃が押し上げに寄与した。今年の春闘の賃上げ率は平均で5%超を維持し、足元まで高水準が続く一方、中東情勢の緊迫化を受けた中小企業の動向や景気への影響への注意が必要となる。
総務省の説明
- 5月の消費者物価押し下げに最も寄与したのは、東京都による水道料金の基本料金の無償化措置
- 生鮮食品を除く食料は昨年8月から10カ月連続でプラス幅が縮小。米類や調理カレー、コーヒー豆などがマイナス寄与
- エネルギーはプラス寄与。政府による電気・ガス代補助金の終了によるもの。ガソリンも小売店価格の上昇を受けて下落幅が縮小
(総務省の説明や市場の動きなどを追加して更新しました)
--取材協力:氏兼敬子.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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