(ブルームバーグ):香港が世界最大の越境資産拠点となった。中国本土からの資金流入と、現地の株式相場回復が追い風となり、スイスを僅差で抜き去った。
ボストンコンサルティンググループ(BCG)の「2026年版グローバル・ウェルス・リポート」によると、2025年に香港で計上されたオフショア資産は10.7%増の2兆9500億ドル(約470兆円)。スイスは2兆9460億ドルだった。
中国製造業の優位と香港での株式上場増加に支えられ、香港とスイスの差は2030年までに6000億ドル近くに拡大するとBCGは予測している。

こうした変化は、関税やマクロ経済の不安定さにもかかわらず、世界のプライベート資産が2021年以来の最速ペースで拡大し、総額333兆ドルに達する中で起きている。
香港とシンガポールがアジア資本を支えるエコシステム(生態系)拡大に寄与する一方、スイスと米国、英国は引き続き欧州と中東、中南米からの資産の受け皿となっている。
BCGのマネジングディレクター兼パートナーで、このリポートを共同執筆したマイケル・カーリッヒ氏は、「少数のグローバル拠点に富の創出と越境資本の流れ、投資エコシステムが一段と集中している」と指摘し、「香港の台頭はアジアのウェルス・資本市場の引力が強まっていることを反映している」との見方を示した。
香港のファミリーオフィス市場は、こうした資産急増から直接的な恩恵を受けている。シングルファミリーオフィス(SFO)数は2023年から25%増え、昨年末時点で3384社に達した。
政府が委託したデロイトの調査では、各社が少なくとも1000万ドルを運用し、このうち1000社余りが1億ドル以上を管理していることが明らかになった。
数年にわたる新型コロナ規制や政治的変化を経た香港は、金融拠点としての魅力を取り戻すため、低税率や人材の厚さを強みとする資本市場をアピールし、富裕層の呼び込みを活発化させている。この戦略は成果を上げており、中東の不安定化などの地政学的緊張を背景に、超富裕層が資産をアジアに分散させつつある。
原題:Hong Kong Overtakes Switzerland as Top Offshore Wealth Hub (1)(抜粋)
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