(ブルームバーグ):メキシコの大富豪カルロス・スリム氏は、約50億ドル(約7800億円)を今年投資する計画を示した一方、メキシコ石油公社(ペメックス)との新たな事業には参画しない考えを明らかにした。
グルポ・カルソの名誉会長を務めるスリム氏(86)は26日、自身が率いる銀行・保険会社グルポ・フィナンシエロ・インブルサ本社で行われた年次記者会見で、フラッキング(水圧破砕技術を利用した掘削)事業を検討しておらず、ペメックスとの新たな提携も模索していないと語った。超深海にあるラカチ油田での天然ガス掘削の試みについても「非合理的だ」と述べた。
同氏は近年、タロス・エナジーや米石油精製会社PBFエナジーへの出資、沖合油田の買収、さらにペメックスとの提携を通じて石油・ガス分野への投資を拡大。ペメックス最大の民間パートナーとなっていただけに、今回の表明は大きな方針転換となる。
ペメックスの債務負担は約800億ドルに上り、生産拡大と財務改善のため民間資本を呼び込むことに力を入れている。
グルポ・カルソは昨年、陸上のイシャチ石油・天然ガス田で30余りの油井・ガス井を掘削する契約を締結。スリム氏は、この計画により3年以内に同田の生産量が日量約20万バレル相当へ倍増するとの見通しを示した。
ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、スリム氏は資産が約1300億ドルに上る中南米最大の富豪。資産の大部分は通信大手アメリカ・モビルを通じて築かれた。
原題:Slim to Invest $5 Billion This Year, Won’t Seek New Pemex Bets(抜粋)
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