任天堂は、家庭用ゲーム機「スイッチ2」について今期(2027年3月期)の販売見通しを1650万台と公表したが、実際には大幅に上回る販売を目指している。

事情に詳しい複数の関係者によると、3月までの1年間で約2000万台を生産するよう、組み立てパートナーや主要部品メーカーに対し要請した。公表している計画より約20%上回る水準だ。最新の生産台数計画は最終決定ではなく、需要次第で見直される可能性があると、情報が非公開であることを理由に匿名を条件に関係者が述べた。

この計画は、任天堂が今後投入するゲームソフトのラインアップ充実でスイッチ2の販売を押し上げられると自信を持っていることを示している。

任天堂の広報担当者はコメントの要請に応じなかった。

スイッチ2

同社は期初の業績見通しを保守的に示すことで知られる。前期は、当初の販売計画を1500万台としていたが、実際は約1990万台だった。ゲームコンサルタント、カンタンゲームスのセルカン・トト氏は「任天堂にとっては、当初は控えめな販売見通しを示し、その後に上振れする形になっても、実質的な不利益はない」と指摘する。

スイッチ2は昨年6月の発売以降、同社の家庭用ゲーム機としては最速の販売記録を更新した。一方で、メモリーの価格高騰で採算は悪化している。同社は日本国内専用モデルの価格を1万円引き上げ、25日から5万9980円とすることを決め、駆け込み需要を喚起した。

ゲーム業界調査会社ファミ通によると、5月10日までの2週間の国内販売台数は、値上げ発表前に比べて約4倍に急増し、一部の店舗では1人1台限定の販売方針をとっている。

スイッチ2には、「ドンキーコング バナンザ」、「ポケモン レジェンズ Z-A」などいくつかのヒット作がある。だが、ハード1台当たりのソフト販売数は初代スイッチの発売直後ほど伸びてはいない。ハードの普及拡大には、大ヒットとなった「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」級のタイトルが不可欠だ。

トト氏は、ゲーム機本体の値上げや、「スーパーマリオ」シリーズの新作が投入されない可能性があっても、任天堂は十分に乗り越えられるとみている。

同氏は、「消費者はいずれ値上げを受け入れるだろうし、同社にはセット販売などを通じて、価格上昇の影響を和らげる方法もある」と指摘。同氏の今期スイッチ2の販売予想は1800万台だが、「実際の数字がこれを上回っても驚かないだろう」と述べた。

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.