米グーグル親会社のアルファベットが発行する初の円建て社債(円債)は発行総額が5765億円となり、米投資会社バークシャー・ハサウェイを超えて海外発行体の円債として過去最大となった。

アルファベットは15日に年限3-40年の7本の発行条件を決めた。発行総額はバークシャーが2019年に同社として初めて発行した4300億円を上回り、海外発行体として過去最大を更新。データセンターなど人工知能(AI)向け投資で巨額の資金需要を抱え、コストを払ってでも調達先の多角化を進めたいアルファベットと、高格付けで知名度の高い海外企業への投資機会を求める日本の投資家のニーズが合致した。

AIインフラ投資で資金調達競争が激化しており、今回の円債を契機に他のハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)が円市場を活用する可能性が膨らんだ。日本での投資を後押しする効果も期待できる。バークシャーは定期的に円債を発行しており、日本の商社5社への出資比率を引き上げ、東京海上ホールディングスへの出資も決めた。

フジワラキャピタルの土屋剛俊社長は、「日本の投資家はリターンを求めており、アルファベットのようなビッグネームには喜んで飛びつく」と話した。データセンターの運営は費用がかかるためハイパースケーラーは巨額のドル建て社債を発行し、資金を調達しているという。

今回債のスプレッド(上乗せ金利)はアルファベットが発行した他通貨建て債と比べて大きくなった。例えば7年債は68ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)で、ブルームバーグの試算によると、5月発行のカナダドル建て債よりも円換算で10bp以上高くなった。

マニュライフ・インベストメント・マネジメントの押田俊輔クレジット調査部長は、日本で事業展開するなど円資金ニーズが見える発行体は、投資家にとって評価が比較的容易で買いやすいと指摘。また、海外発行体は初回発行でのスプレッドが厚くなる傾向があり、その後の起債でも投資家需要につながりやすいとの見方を示した。

ブルームバーグの集計データによると、海外発行体による円建て債の発行額は今年これまでに約1兆6000億円と、前年同期間の3倍超に増えている。

アルファベット債の主幹事はBofA、みずほ、モルガン・スタンレーが務めた。

(第5段落以降にスプレッド分析や市場参加者のコメントなどを追記しました)

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