伊藤忠商事は、アニメやキャラクターのライセンス管理・運用に取り組む米国の企業に出資する。複数の関係者への取材でわかった。日本のコンテンツの海外配信が進む一方で、これまでグッズ展開は手が回っていないケースが多かった。現地にツテを持つ海外のパートナーと手を組むことで、海外展開を加速させる。

関係者によると、子会社を通じて米オクタスの株式を40%取得する。オクタスはライセンスエージェントとして知的財産(IP)コンテンツの商品化を希望するメーカーや小売事業者と交渉し、商品展開を担う。関係者によれば、同社は北米のメーカーとのネットワークがあり、日本のコンテンツを扱った実績がある点を評価し、出資を決めたという。

配信プラットフォームを通じてリアルタイムでアニメが海外ファンに届くようになり、ぬいぐるみやキーホルダーなど関連グッズへの関心も高まっている。ただ現地で人気が出そうな商品の見極めや流通網の確保など実務面での難しさもあり、需要に供給が追いついていなかった。

アニメなどのコンテンツ産業は半導体や鉄鋼の輸出額を上回り、新たな基幹産業に位置づけられている。政府が昨年策定したエンタメ・クリエイティブ産業戦略のアクションプランによると、コンテンツ産業の海外売上は10年で3倍に達し、2023年には5.8兆円まで成長。33年には海外売上を20兆円へ引き上げる目標だ。

こうした中で商機を見込み、伊藤忠だけでなく、三菱商事や住友商事など総合商社もIPビジネスに力を入れている。

伊藤忠は「おぱんちゅうさぎ」などの人気キャラクターの海外展開に取り組んでおり、オクタスとは協業した実績があったという。3月には子会社を通じてアニメの企画・開発を行うスカパー・ピクチャーズへの出資比率を49%に引き上げていた。

伊藤忠とオクタスはコメントを控えた。

キャラクターによって異なるターゲット層を見極めつつ、長期的な視点で商品を展開させられるかが課題となりそうだ。

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