(ブルームバーグ):自民党の資産運用立国議員連盟は14日、社債市場の活性化に向けた取り組みを含む提言を高市早苗首相に提出した。大規模な設備投資を計画する企業の社債引き受けを行う金融機関を支援する制度の整備などを呼びかけた。
具体策としては、 社債未活用の企業向けの知見提供、機動的な発行や価格情報の参照が可能となる環境整備、バーチャル社債権者集会の導入検討、デジタル社債などの勧誘に係る規制緩和なども提案した。
ブルームバーグのデータによると、2024年度の社債発行総額は過去最高水準に達している。一方、経産省の資料によると、日本の発行額・残高は、米国市場の10分の1未満にとどまる。特に日本では低格付けの発行が少なく、成長途上の企業による資金調達することが難しいことが問題視されていた。
提言提出後、同議連会長の岸田文雄元首相は、資産運用立国の取り組みを通じて「経済の好循環をしっかりと支える」と記者団に語った。企業が成長投資を通じて企業価値を高め、その果実を国民一人一人に還元することで、成長と分配の好循環を支えるという仕掛けを考えているとも述べた。
銀行の資金供給機能
高市政権は官民連携による戦略17分野への投資拡大を目指している。今回の提言は社債市場以外でも金融面で必要な制度改正案を列挙しており、政府が夏までの策定を目指す新たな金融戦略へ盛り込むよう求めている。
提言は、銀行をはじめとする預金取扱金融機関が企業の成長を支える上で「中心的役割を担う」と明記。銀行等の資金供給機能や成長支援機能をより一層高めることが不可欠だと指摘した。
与信集中リスクを排除するため同一グループへの融資等を自己資本の25%以下に制限している「大口信用供与規制」の整理と合理化を提案。企業買収資金の融資のうち買収後の代替資金調達で短期に解消される場合などは限度額超過を承認すべきだとした。
企業価値向上
企業に対しては「成長投資ガイダンス」の策定も提案した。金融庁と東京証券取引所が7月をめどに改定する新たなコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)を踏まえ、成長投資と株主還元の優先関係などを示すよう促す。
企業と株主の建設的な対話を促進し、「企業の果敢な経営判断を後押し」するため、株主提案権や臨時総会招集権の乱用を防ぐ見直しを求めた。
株主提案権に関しては、300個以上の議決権保有要件の廃止を求めた。現行の会社法では、1%以上の議決権もしくは300個以上の議決権を有しており、6カ月以上前から継続して保有していることが株主提案権の要件とされている。臨時総会招集権についても、議決権の3%以上とする要件の引き上げを呼び掛けた。
その他の提言
- 銀行・証券のファイアウオール規制の見直し-適切な顧客情報管理など前提
- 銀行や政府系金融機関がアレンジするシンジケートローンに日本に銀行免許がない外国金融機関の参加を促す制度の整備
- 経営資源の再分配を促すため、事業ポートフォリオ改善や事業再編を促す措置の検討
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