韓国の4兆6000億ドル(約726兆円)規模の株式市場では、強い高揚感が至る所で見られる。

過去1年間で200%上昇した韓国株は、世界のどの市場をも大きく上回る値上がりとなっており、個人投資家は株式への賭けを拡大するため過去最大規模の借り入れを行っている。出来高は過去最高に膨らみ、1日で5%以上の値動きも頻発。指標の韓国総合株価指数(KOSPI)は世界で最も変動性の高い株価指数となっている。

「乗り遅れ恐怖症(FOMO)」は韓国の職場や昼食の場、家族の集まりにまで広がっており、投資家は子供のためにも株式を購入するようになっている。トス・セキュリティーズの集計によると、18歳未満の新規口座開設数は1-3月(第1四半期)に1年前の約10倍に急増した。

「個人投資家のムードは非常に過熱しており、ほとんど狂騒的だ」と話すのはジャン・ウンジョン氏(37)だ。株式投資に関する同氏のYouTube番組は、相場急騰を背景に登録者数が130万人超へと増加したという。同氏は「これほど急激な上昇を再び目にすることがあるだろうか」と語った。

韓国の半導体メーカーが人工知能(AI)ブームで中心的役割を担っていることが韓国株取引の熱狂を支えている。こうした投資熱は、長らく停滞していた韓国市場を、AIブームの持続性を見極める世界的な注目指標の一つに変えた。

強気派はサムスン電子やSKハイニックスなどの企業の過去最高益が相場上昇を正当化すると指摘する一方で、今週は急落リスクも浮き彫りとなった。12日には、AI利益への超過税収を活用した「国民配当」に関する政府高官のフェイスブック投稿と相場過熱への警戒感が重なり、KOSPIは2時間足らずで時価総額を約3000億ドル失った。その後、終値にかけて下げ幅の半分以上を回復し、政府は当該投稿が個人的見解で政策ではないと説明した。

ソウル市の江西区で耳鼻咽喉科クリニックを営み、1年前から投資成績をSNSに投稿しているキム・テファン氏は「FOMOを感じた人々は他人が大きな利益を上げるのを見て、しばしば過度なレバレッジを用いて無謀に参入する。しかし強気相場がいつ終わるかは誰にも分からない」と述べた。

さらに「多くの場合、相場の終盤で投資額を増やし、損失を被る危険がある。自分も2018年のビットコインブームの際、ピークで投資を増やし損失を出した」と付け加えた。

原題:World’s Biggest Stock Rally Ignites Speculative Mania in Korea(抜粋)

--取材協力:Chien-Hua Wan、Youkyung Lee、Cat Barton.

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