14日の債券市場で償還期間10年以上の超長期債の利回りが急騰した。30年利付国債入札は無難に消化されたものの、中東情勢の不透明感が根強い上、政府が2026年度補正予算案の編成を検討しているとの報道を受け、財政拡大への懸念から売りが加速した。

30年債利回りは一時、前日比11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い3.925%に上昇し、1999年の発行開始以降の最高水準を更新した。20年債利回りも一時8bp高い3.555%と97年以来の高水準に達し、40年債利回りも8bp高い4.15%を付ける場面があった。

三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、政府が補正予算編成を検討していると一部で報じられたことが超長期債の追加的な売り材料になっていると指摘する。

財務省が実施した30年国債入札は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.49倍と過去12カ月の平均(3.37倍)を上回った。ただ、大きいと不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は22銭と昨年11月以来の大きさとなり、投資家の見方にばらつきが出ていることが示唆されていた。

長期の日本国債利回りは、中東情勢を巡る不透明感や原油価格の高止まりを背景に、数十年ぶりの高水準に上昇している。トランプ米大統領は中国で習近平国家主席との会談に臨んだが、イラン情勢の先行きが見通しにくい状況は変わらず、財政拡大懸念の影響を受けやすい超長期ゾーンには警戒感が残る。

日本銀行の早期利上げ観測も強く、スワップ市場が織り込む次回6月の金融政策決定会合での利上げ確率は7割を超えている。日銀の増一行審議委員は14日、景気下振れの兆しが明確にならなければ、できるだけ早期の利上げが望ましいとの見解を示した。

SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは30年債入札について、「利回りの高さが奏功し無難な結果だった」とする一方、先物はあまり反応していない上、10年金利の上昇が止まる兆しが見えず、金利先高観は消えていないと話していた。

円は対ドルで再び下落基調を強め、日本の通貨当局が4月30日に行った介入後の安値を一時更新した。こうした動きは、根強いインフレ懸念と相まって債券市場にとって逆風となっている。

さらに海外では、米経済指標でインフレ加速の兆しが再確認され、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が強まり、米国債利回りが上昇。英国でも首相辞任圧力の高まりを背景に超長期金利が上昇しており、日本を含む主要国の債券市場に影響が広がっている。

(超長期債利回り水準、日銀の増審議委員の発言、円相場を追加し更新します。)

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