金融庁は12日、米アンソロピックのAIモデル「Mythos(ミュトス)」を巡り、金融分野のサイバーセキュリティー対策の強化に向けた官民連携の作業部会の初会合を14日に開催すると発表した。3メガ銀行に加えて、ネット銀行やIT企業、各金融分野の業界団体などが参加し、当面の対応が必要な検討事項を議論する。

4月上旬に公表されたミュトスはソフトウエアの脆弱性の検出能力が極めて高く、悪用されればインフラの混乱も引き起こしかねない。現在は米国で一部の企業・団体にのみ公開されているが、金融システムなどへのサイバー攻撃が起きれば影響は甚大として警戒感は高まっている。片山金融相は4月下旬に官民での作業部会設置を呼び掛けていた。

金融庁の担当者は12日、政府としてアンソロピックにミュトスの使用権を求めているかどうかについてはコメントを避けた上で、やるべき課題は多いと述べた。脆弱性が大量に見つかった場合の対応策や防御が破られた際のシステムの安全な復旧などを議論のテーマに挙げた。作業部会の座長にはみずほ銀行で情報セキュリティ担当(CISO)を務める寺井理常務執行役員が就く。議論の内容については非公表とする。

金融庁の発表によれば、作業部会に参加するのは、みずほ銀行や三井住友銀行、三菱UFJ銀行、セブン銀行や楽天銀行に加え、NTTデータや野村総合研究所といったシステム開発を手掛ける企業なども加わる。全国銀行協会や全国地方銀行協会、生命保険協会、日本損害保険協会、日本証券業協会なども参加する。

政府からは財務省やサイバーセキュリティー対策を統括する国家サイバー統括室なども加わる。日本銀行も入る。アンソロピックや「ChatGPT」を手掛けるOpenAIのそれぞれの日本法人、米アマゾン・ドット・コムやグーグル、マイクロソフトといった米巨大IT企業の各日本法人もメンバーに入った。

片山さつき金融相は12日午前の閣議後の記者会見で「金融業界とIT企業、政府、日銀などがAI技術の進展による脅威について共通の理解を持ち、対応を検討するため、実務者レベルでの議論を深めることを期待している」と述べた。

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