第一三共は11日、2031年3月期までの中期計画を発表した。がん領域を成長の中核に据え、拡大を加速する。最終年度には同分野の売上収益2兆3000億円超と、26年3月期実績比で2倍以上となる目標を掲げた。

新中計では、ADC(抗体薬物複合体)技術の強みをいかしながら複数の製品を市場投入することで、2035年までにがん領域で世界トップ5入りを目指す。31年3月期全体の売上収益は3兆円以上、営業利益6000億円以上を目指す。

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

同社は2010年代後半からがん治療薬へと舵を切り、がん細胞を標的とする抗体に付加した薬物を細胞内に届けるADCの開発に注力してきた。主力の抗がん剤「エンハーツ」は年間約7000億円の売上規模に成長したが、主要特許は30年代前半から順次満了となる見通しだ。

このため同社は、「ダトロウェイ」など後続ADCの適応拡大や市場投入を進め、複数製品によるポートフォリオ経営への転換を急ぐ。

一方で株価は伸び悩む。エンハーツによる高い成長力が評価されてきたものの、特定製品への依存度の高さなどで成長持続性への見方は分かれる。足元の株価は2024年に付けた上場来高値から半値水準にとどまる。

今回の中期経営計画で、がん領域での拡大に加え、次世代の創薬基盤技術の確立を掲げており、こうした懸念を払拭できるかが今後の株価の焦点となりそうだ。

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