7日の日本市場では、日経平均株価が過去最大の上げ幅で史上最高値を更新した。米国とイランが戦争終結に向けて合意に近づきつつあるとの見方が広がり、投資家のリスク選好姿勢が強まった。円相場は対ドルで156円台前半で推移し、債券は上昇した。

中東情勢を巡っては、戦争終結に向けた米国の新たな提案をイランが検討していると伝わった。ホルムズ海峡の再開期待から原油価格は6日に大幅に下落。ただ、イラン側は提案に否定的な見解も示しているため不透明感は残り、7日は小動きにとどまっている。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、イラン情勢に進展の兆しが見られることに加え、米テクノロジー企業の決算が総じて堅調な点が株価の追い風と指摘した。ホルムズ海峡を巡る懸念が後退すれば、中東情勢が経済に与える影響は限定的になり、企業業績にも期待できることから、幅広い銘柄に買いが広がっていると語った。

日経平均は3320円72銭、率で5.6%上昇した。上昇率は2025年4月10日以来の大きさ。東証株価指数(TOPIX)も構成銘柄の75%が高くなり、3%上げた。東証プライム売買代金は約10兆8448億円と、過去最高となった。

株式

株式は大幅高。6日の米フィラデルフィア半導体株指数 (SOX)や米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD) の急上昇を受けて、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、イビデンといった人工知能(AI)・半導体関連銘柄が上げをけん引した。

米マシューズ・インターナショナル・キャピタル・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ハン・ドンフン氏は、日本のAI関連企業の強みは「AIインフラの上流から下流間で不可欠な層をカバーしている」ことだと話す。特定の大規模言語モデル(LLM)プロバイダーの動向に左右されにくい収益構造や、割安なバリュエーションからグローバル投資家にとって魅力的な投資先だと評価している。

今後は物色の広がりが期待される。りそなアセットマネジメントの黒瀬浩一チーフ・ストラテジストは、株式市場は戦争終結を「done deal(ダンディール)として織り込んでいる」と述べた。イランの脅威が実際に無くなれば、化学やゴム、空運など出遅れていたセクターが買われ、AI関連が主導してきた相場に加わるとの見方を示した。

その一方で、慎重な声も聞かれた。和キャピタルの村松一之運用本部部長は、米国市場と異なり国内市場は期待先行であり、日経平均で6万3000円以上を買い進むには「リスクがある」とみる。日経平均の12カ月先株価収益率(PER)が米S&P500種株価指数を超え、バリュエーション面からも買いづらいと語った。

為替

円は156円台前半で推移した。当局の為替介入後、連休中に155円付近まで円高が進んだが、その後はもみ合いが続いている。

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは7日付リポートで、国際通貨基金(IMF)の通貨制度の分類基準では「自由変動相場制」の維持に介入回数の制約があり、介入の持続性に市場の関心が集まる可能性があると指摘した。

財務省当局者によると、IMFの規則では6カ月間で3回までの介入であれば自由変動相場制と見なされる。3回を超えると、IMFは単なる「変動相場制」に分類する傾向にあるという。

SMBC日興証券の丸山凛途シニア金利・為替ストラテジストはリポートに、日本の為替介入は09年以降、おおむねIMFのガイドラインを「強く意識して運営されてきたとみられる」と記述。半年以内に3回を超える介入は行われておらず、市場参加者の間でも「3回・3営業日」は当局の行動余地を測る上で「重要な判断材料として機能している」という。

三村淳財務官は7日、為替介入に関するIMFのルールは回数を制限するものではないと述べた。市場を引き続き警戒感を持って注視しているとした上で、防衛ラインについてはコメントしないと語った。

債券

債券は米長期金利低下の流れを引き継いで上昇した。

ニッセイアセットマネジメント戦略運用部の三浦英一郎専門部長は、イランでの戦争終結への期待が金利低下の背景にあると述べた。米中首脳会談前に終結するとの見方もあり、原油価格の下落によって財政支出が抑えられる可能性も指摘した。

ベッセント米財務長官が11日訪日し、片山さつき財務相や日本銀行の植田和男総裁と会談すると報じられた。りそなアセットの黒瀬氏は、ベッセント氏と植田総裁の会談は利上げを促す意図があるとみており、日銀の政策が後手に回るビハインド・ザ・カーブへの懸念が和らげば、長期金利の上昇圧力は抑制されると読む。

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この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:横山桃花、アリス・フレンチ.

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