トランプ米政権は連邦最高裁が2月に違法と判断した1977年国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく総額1660億ドル(約25兆9500億円)の輸入関税について、還付を開始した。

複数の通商弁護士がブルームバーグ・ニュースに明らかにしたところでは、6日までに一部の顧客の銀行口座に資金が振り込まれた。

法律事務所クロウェル・アンド・モリングのダニエル・カニストラ弁護士は、顧客名や受領額の公表は控えたものの、支払いには利子が含まれていたと述べた。また、7日以降に還付金の支払いを受ける予定の通知を受けた企業が増えていると話した。

このほか、フェグレ・ドリンカー・ビドル&リースの通商弁護士モリー・シトコウスキー氏(シカゴ在勤)は、輸入業者の顧客の1社が4月25日に提出した請求に対し、5日に5700ドルの還付を受け取ったと明らかにした。

今回の還付は、トランプ大統領の看板経済政策の一つを巡る法廷闘争の節目となる。訴訟が進む中で、数十万の輸入業者が問題の関税を支払っていた。最高裁は2月20日に政府敗訴の判断を下したが、還付の扱いについては判断を示さず、ニューヨークの米国際貿易裁判所で係争が続いていた。

米税関・国境警備局(CBP)は4月20日、オンラインの還付ポータルを開設した。ただ、CBPは裁判資料で、還付プログラムの第1段階では対象となる5300万件の輸入申告のうち3分の1余りについて、請求を受け付けられない見通しを示していた。

CBPの別の裁判資料によると、約174万件の申告に関する請求が4月終盤までに初期の検証手続きを通過し、還付プロセスに入っていた。一方で、数百万件の申告は却下された。政府は5月12日に次の最新情報を裁判所に提出する予定だ。

CBPと財務省の報道官はこれまでのところコメント要請に応じていない。

税関当局は、一段と複雑な事情を伴う輸入を対象とした還付プログラムの今後の段階について、実施時期の詳細を示していない。トランプ政権は、IEEPAに基づく関税措置で徴収した全額を還付するとは確約していないが、実際に処理した還付には利子を支払うことを確認している。

還付申請の対象となるのは、輸入品に対する関税を支払った輸入業者に限られる。米物流大手フェデックスや、人気パーティーゲーム「Cards Against Humanity」を販売するゲームメーカーなど、一部企業は受け取った還付金を顧客と分配する方針を公表している。

最高裁の判断以降、関税コストを補うために価格を引き上げたとされる企業を相手取り、消費者が全米各地で集団訴訟を提起している。還付実施後に資金の回収を求める内容だが、現時点でこれらの訴訟について判断を下した裁判所はない。

原題:Trump Tariff Refunds Start Hitting Importers’ Bank Accounts (1)(抜粋)

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