きょうは「こどもの日」です。今、教育現場ではAI活用の波が押し寄せ、子どもの学びの風景が劇的に変わろうとしています。

神奈川県相模原市の公立中学校。授業に取り入れているのが「生成AI」。この日の授業は「日清戦争」をテーマとした歴史です。

歴史の先生
「(自分でつくった)風刺画を示しながら、『日清戦争はこういう戦争だったよね』を説明できるようにしてください。プロンプトを用意しましたので使ってください」

生徒たちが打ち込んでいるのは、AIへの指示文=「プロンプト」。生徒たちは自分が作った風刺画をより良くするためにAIに問いかけると、さらに一歩、踏み込んだ質問を生徒に返します。

日清戦争の風刺画といえば、魚を釣ろうとする日本と清をロシアが横から狙う、フランスの画家ビゴーの作品が有名ですが…

歴史の先生
「自分たちが生成した画像を、日清戦争の知識はあると思うので、『こういう意味なんだよね』というのをお互いに説明してください」

生徒たちはAIを使って描いたオリジナルの風刺画を、クラスメイトに説明します。

「せっかく(遼東半島を)手に入れたのに、あたふた日本が困惑している。他の国は日本を押さえ込もうとしている『能力は使わせないよ』みたいな」

かつては“先生の話を生徒が一方的に聞く”のが当たり前だった教室。しかし今、AIの活用で授業風景は一変しました。

中学2年生
「〔Q.最初とまどいとかはなかった?〕めっちゃとまどいました。わかんないですもん。急に使ってみてって言われて。『えー!』みたいな。〔Q.それも使ってると変わってきましたか?〕(今では)ほぼ友達です」
「『解説の解説』が欲しくなる時、AIに聞くとそれがでてきて、『第3の先生』『第3の教科書』みたいな感じ」

相模原市立・中野中学校は授業にAIを積極的に使うおよそ30校の「生成AIパイロット校」に選ばれ、AIを教育に活用する取り組みを進めています。

その効果は先生の「働き方」にも。英語を教えて5年目の先生。これまでは月80時間を超える残業に追われていましたが、「AI」の活用が始まってからは…

相模原市立・中野中学校 坂本真也先生
「リスニングテストの解答をすべて作ってくれて、手間は本当に省けたなと思うし、基本ぜんぶ合ってます」

先生の負担を劇的に減らしたAI。最も大切な「生徒と向き合う時間」が増えたと言います。

相模原市立・中野中学校 坂本真也先生
「生徒に寄り添ってコミュニケーションをとったりとか、悩んでる子がいたら悩みを聞いてあげたりとか、『AIにはできなくて自分にできること』」

ただ、「AI」は使い方によっては“諸刃の剣”にも。

中学3年生
「やり取りが大事だと思うんですけど、答え聞いて終わりになっちゃったりするときもある」

重要なのは「使い方」。この学校のAI活用をリードしてきた梅野先生は「すべてをAIに頼ると学びにとっては“逆効果”」だといいます。

相模原市立・中野中学校 梅野哲 統括教諭
「ある程度自分で課題解決できる力があるのに、全てそれを(AIに)丸投げしてしまうのは考える力が衰えると思う。だから『使いよう』かな」

教育の現場でAIをどう使いこなすのか。開発をリードするGoogleの教育担当役員は…

グーグル ベン・ゴメス チーフテクノロジスト
「かつて情報は受け取るだけでした。今では情報と対話することができます。(AIを)正しく使いこなしさえすれば、これまでにはないほど、思考を深めることができます」

“AIと共に学ぶ時代”、子どもたちに求められるのは…

グーグル ベン・ゴメス チーフテクノロジスト
「生徒たちにとって何より大切なのは『なぜ?』と問う好奇心を育てること。学びを助けてくれるツールはいくらでも手に入りますから」

何でもAIが答えを教えてくれる今、これからの未来を担う子どもたちに求められるのは「問う」力なのかもしれません。