欧州中央銀行(ECB)は 6月の次回会合で利上げを余儀なくされる可能性が高いとの考えを、ECB政策委員会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁が4日示した。

カジミール氏は寄稿文で、特定の道筋を事前に約束しているわけではなく、イラン戦争の影響を評価するにはさらなるデータが必要だが、「われわれのアプローチは揺るぎない」と説明。

「この前提を踏まえると、6月の金融引き締めはほぼ不可避」で、「ユーロ圏全体で成長が明らかに鈍化する中で、広範な物価上昇が長期化する事態に備えなければならない可能性が一段と高まっている」と指摘した。

ECBは4月30日、政策金利を据え置いた一方、6月10、11両日の会合で利上げを検討する意向を示した。

ドイツ連邦銀行(中銀)のナーゲル総裁は5月1日、インフレと経済成長の見通しが大きく改善しない場合には利上げが必要になると述べた。複数の政策委メンバーが同様の見解を示す一方で、より慎重な姿勢を取る向きもある。

リトアニア中銀のシムカス総裁は4日、「明らかに6月の利上げの可能性について議論している」とした上で、「実際に決定されるかどうかは状況とデータ次第だ」と述べた。

シムカス氏はまた、中東の紛争が解決すれば「別の決定を検討する余地を与える要因になる」と付け加えた。

環境悪化も

エコノミストや投資家の大半は、0.25ポイントの来月利上げが実施されると予想している。市場ではその後、年内にさらに2回の利上げが見込まれている。

ECBが公表した調査では、イラン戦争による影響は一時的な物価上昇にとどまるとの見方が専門家の間で示され、インフレ率が2%へ回帰する見通しに明るい兆しも見られた。

調査によると、今年の平均インフレ率は2.7%と見込まれているが、2027年と2028年にはそれぞれ2.1%、2%に低下すると予想されている。

別のECB調査は、エネルギー価格上昇の広範な波及は「過去よりも緩やかになり得る」とする一方、戦闘が長引けば状況が悪化する可能性も警告した。

6月の会合前に任期を終えるECB当局者2人も4日、政策金利について見解を示した。

フランス銀行(中銀)のビルロワドガロー総裁は、インフレが原油価格の上昇を超えて広がる場合には、ECBは慎重さを保ちつつも利上げに踏み切る用意が必要だと述べた。

エストニア中銀のミュラー総裁は、金融政策が中立的な出発点にあることで、対応を見極める時間が確保されていると語った。

原題:ECB Rate Hike in June Is ‘All but Inevitable,’ Kazimir Says (1)(抜粋)

--取材協力:Jana Randow、Ott Tammik、William Horobin、Zoe Schneeweiss.

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