サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は10日、ホルムズ海峡が事実上の閉鎖状態にあることを受け、原油市場の混乱が長引く可能性があると警告した。一方、原油高やホルムズ海峡を迂回(うかい)するパイプライン経由への輸出振り替えが寄与し、1-3月(第1四半期)の利益は26%増加した。

ナセル氏は電子メールでのコメントで、「ホルムズ海峡を通じた貿易の流れが直ちに、あるいはきょう中に再開したとしても、原油市場が需給バランスを回復するには数カ月を要する」と指摘。「しかし、今後数週間を超えて貿易や輸送の制約が続く場合、供給混乱はさらに長期化し、市場が正常化するのは2027年になると見込んでいる」と説明した。

米国とイランの交渉が進展しない中で、今回の発言は原油市場のリスクが一段と高まっていることを示している。イラン戦争によって市場は混乱し、ホルムズ海峡の通航はほぼ停止状態が続き、原油価格は1バレル=100ドル近辺で推移している。

アラムコが同日発表した1-3月の調整後純利益は約1260億リヤル(約5兆2600億円)と、アナリスト予想の1090億リヤルを上回った。

イラン戦争開始前から輸出を拡大していたサウジは、開戦後数日以内に一部の出荷を紅海沿岸の代替港に振り替えた。

ナセルCEOは「アラムコは東西パイプラインのような戦略的先見性により影響の一部を緩和できているものの、世界のエネルギー供給は依然として制約を受けている」と分析。「エネルギー業界は強靱(きょうじん)性向上に向け、より一層の計画と投資が必要だ」と語った。

アラムコは1-3月の原油販売量が前年同期比では増加したものの、前期比で減少したとしたが、詳細は明らかにしていない。アラムコは11日にアナリスト向け説明会を予定している。

イラン戦争開始後、タンカーがペルシャ湾ではなく紅海で積み込む動きが広がり、パイプラインの輸送量も増加した。ブルームバーグがまとめたタンカー追跡データによると、3月の観測可能な輸出量は平均日量約360万バレルで、4月には日量400万バレル弱まで増加した。

事情に詳しい複数の関係者によると、アラムコのトレーディング部門も最近、探知を避けるためトランスポンダーを停止した船舶を使い、一部の原油をホルムズ海峡経由で出荷している。

アラムコは第1四半期の原油販売価格が1バレル=76.90ドルだったと説明。前四半期は64.10ドル、前年同期は76.30ドルだった。

原題:Aramco CEO Warns of Long Oil Market Disruption as Profit Jumps(抜粋)

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