イランは戦争終結に向けた米国の最新提案に対する回答を提出した。緊張を高める事態が続き、脆弱(ぜいじゃく)な停戦が揺らいでいる中での対応となった。

国営イラン通信(IRNA)が10日、イラン側が回答を送付したことを報じた。詳細は示しておらず、イラン当局もこれまでのところ、トランプ米大統領の提案を受け入れるかについて何ら公に方針を示していない。

米国の提案をイランが受け入れた場合は戦争終結につながり得るが、双方はなおイランの核開発計画を巡って今後交渉する必要がある。この問題は引き続き、重大な争点だ。

トランプ氏は「全てが署名され、決着がつかなければ、われわれは別の道を進むことになる」と警告しており、船舶のホルムズ海峡通過支援を目的とした「プロジェクト・フリーダム」を拡大する可能性も示唆している。

イスラエルのネタニヤフ首相は、戦争は「終わっていない」と警告した。10日に放映された米CBSのインタビューで、イランの核開発能力の解体と高濃縮ウラン備蓄除去に向け、対応はなお必要だと述べた。

停戦は4月8日以降続いているものの、5月10日にはペルシャ湾内のカタール沖で、貨物船1隻がドローン(無人機)攻撃を受けて火災が発生した。

アラブ首長国連邦(UAE)とクウェートは10日、敵対的なドローンを迎撃したと発表した。両国はいずれも、この2カ月ほどイランから攻撃を受けている。

イランのガリババディ外務次官はXへの投稿で、英国とフランスにも警告を発した。両国の艦艇がホルムズ海峡に展開した場合、「イラン軍による断固かつ即時の対応」を受けることになると述べた。

2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃して始まったこの戦争は、石油・ガス市場を混乱させており、世界各国の政府や消費者は燃料価格の急騰で圧迫されている。11月に中間選挙を控える米国も例外ではない。

アラムコCEOの警告

世界最大の石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は10日、「ホルムズ海峡を通じた貿易の流れが直ちに、あるいはきょう中に再開したとしても、原油市場が需給バランスを回復するには数カ月を要する」と指摘。

「今後数週間を超えて貿易や輸送の制約が続く場合、供給混乱はさらに長期化し、市場が正常化するのは2027年になると見込んでいる」と述べた。

ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによれば、カタール産液化天然ガス(LNG)を積載したタンカー1隻が週末にホルムズ海峡を通過した。今回の危機が始まった後、カタールが同地域から輸出したのは初めて。LNGは米・イラン和平協議の主要な仲介国であるパキスタンに向かっている。

事情に詳しい複数の関係者によると、今回の出荷はパキスタンによる対イラン交渉の一環で実現。パキスタンは逼迫(ひっぱく)する国内需要を満たすため、カタール産LNGを追加調達できたという。関係者は協議の非公開を理由に匿名を条件に語った。

ライト米エネルギー長官は10日にNBCの番組で、イランに核開発計画の打ち切りを要求するより、ホルムズ海峡の通航再開を米国として優先させる可能性を示唆した。

イランはまた、同国の主要な原油輸出拠点であるカーグ島周辺で油膜のようなものが確認されたとの一部報道を否定した。国営シャナ通信によると、石油ターミナル当局者はインフラ設備や貯蔵タンク、パイプライン、船舶で漏洩は起きていないと述べた。

イラン最高指導者のモジタバ・ハメネイ師は軍高官と会談し、敵対勢力に対抗するための「新たな指示」を出したと、別の国営通信が伝えた。モジタバ師の映像はない。

原題:Iran Offers Reply to US Peace Plan as Hormuz Crisis Simmers (1)(抜粋)

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--取材協力:Sara Gharaibeh、Tony Czuczka、Angela Cullen、Eltaf Najafizada.

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