(ブルームバーグ):米ゴールドマン・サックス・グループの株式リサーチ共同責任者ジェームズ・コヴェロ氏は、人工知能(AI)インフラブームから利益を得ようとする投資家は、半導体メーカーではなく、巨大データセンターで高度な計算能力を構築し、クラウドサービスを提供する「ハイパースケーラー」を選好すべきだと主張した。
半導体アナリストを長年務めたコヴェロ氏は4月30日の顧客向けリポートで、「ハイパースケーラーのロング(買い持ち)と半導体メーカーのアンダーウエート(ベンチマークより低い資産配分)」を勧めた。「ハイパースケーラーの投資収益率(ROI)について、かなり懐疑的見方を市場が織り込む現状が、このアイデアの出発点となった」と指摘した。
コヴェロ氏の見解は、最近の相場動向に逆行するものだ。半導体株は過去数カ月、AI関連銘柄として人気を集め、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は過去1年で150%近く急騰した。
一方、アマゾン・ドット・コムとマイクロソフト、アルファベット、メタ・プラットフォームズを含むハイパースケーラーは、データセンターへの過剰な設備投資を投資家が問題視する状況で、出遅れ傾向が続いた。
ロングとショートの組み合わせによる価格差で利益を目指すレラティブバリュー戦略のシナリオは、ハイパースケーラー各社のROIがプラスとなり、投資家の警戒感が薄れ、株価上昇に伴い企業価値が回復するというものだ。市場で既に評価されている半導体株については、今後の上昇余地はそれほどないとコヴェロ氏はみている。
もう一つのシナリオは、ハイパースケーラーのROIが引き続き厳しく、投資の縮小を迫られるケースを想定する。
「ハイパースケーラー株はキャッシュフローの見通し改善に伴うリリーフラリー(悪材料軽減による急反発)が予想され、ハイパースケーラーの設備投資抑制で売り上げに悪影響が出る半導体株は著しい打撃を受けるだろう」とコヴェロ氏は分析した。
--取材協力:Vlad Savov.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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